現受けできない投資家が一気に反対売買を行いマイナスに
現受けすると、原油を貯蔵する施設が必要です。保管費もかかります。しかしコロナショックの影響で原油の需要が減り、原油貯蔵量は減りません。各方面で、アメリカには貯蓄余力が残されていないと予測されていました。
原油をさらに貯蔵するには施設費や保管費がかかります。コストの発生を嫌った投資家たちは、現物を受け取らないようにするため、取引最終日間近に一気に反対売買を行いました。買ったときよりもはるかに低い価格で投げ売りしてでも、売り切ることを優先したのです。そして原油価格は史上初めて、マイナスになりました。
「お金を払うから原油を引き取ってほしい」。このような投資家の心理によって、マイナス価格という異常事態が引き起こされたのです。
新型コロナウイルスによる需要減が前代未聞の事態を引き起こした
4月20日のニューヨーク商業取引所で、原油価格が史上初めてマイナスになりました。原油を購入する側がお金をもらうという前代未聞の出来事です。その背景には、新型コロナウイルス感染拡大に伴う急激な需要減と、原油の保管リスクを嫌った投資家の反対売買がありました。新型コロナウイルスは、人類にこれまでにない異常事態を経験させ続けています。影響はさまざまな場面に及ぶことでしょう。
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