男女間の金銭トラブルは少なくありません。交際期間中のお金の貸し借りはその典型例で、別れたあとは特に表面化します。貸していたお金を、別れたあとで取り返すことはできるのでしょうか。
借用書がなくてもお金は返してもらえる!
結論からいうと、交際中に貸したお金は別れたあとでも返してもらえます。借用書といった書面がなくても構いません。お金の貸し借りは「消費貸借」という契約の1つで、お金を受け取るだけで成立すると定められているためです。
「借りてない!」と否定されたらどうする?
法律上は当事者の一方が返済を条件にお金を貸し、借り手が受け取ることで消費貸借が成立するため、借り手が否定しても借金はなくなりません。したがって、本人が否定してもお金を返してもらうことができます。
ただし借り手が借金を否定する以上、現実的には法的な手続きも必要になるでしょう。手段によっては借金の客観的な証明が求められる可能性があります。借用書がないなら、他に借金を証明できるような証拠を集めなければいけません。
借用書以外に証拠となるもの
借用書以外に借金を証明すると考えられるものには以下のようなものがあります。
●借金に関わるやり取りの記録
●振込明細書といった送金の記録
「〇円貸してほしい」といった借金の催促や、「〇日にお金を返す」などの返済の意向を示すやり取りは、借金の存在をうかがわせる証拠になる場合があります。これらの内容をメールやメッセージアプリなどで受け取っている場合、記録として残しておきましょう。また会話の録音なども同様です。
現金ではなく振り込みなどでお金を貸したり返済を受けたりしていた場合、その記録も証拠となり得ます。振込明細書や預金通帳の写しなど、送金の事実が分かるものを用意しましょう。
ただし、これらは借金を直接的に証明するものではないため、証拠とみなされない可能性も否定できません。しかし複数組み合わせれば証拠と認められる場合もあります。