「会社都合退職」のメリット・デメリット

次に、会社都合退職のメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います。

会社都合退職のメリット

失業給付金の支給をすぐに受けられるというメリットがあります。
自己都合退職の場合、失業給付金まで3ヶ月の「給付制限」があると書きましたが、会社都合退職では「給付制限」期間がありません。申請から最低7日間の待機期間のみで、失業給付金を取得できます。

さらに会社都合退職の場合、給付期間が最大330日と長いこともメリットです。

会社都合退職のデメリット

転職活動時に、退職理由についてじっくり質問されてしまう可能性が高まります。
所属企業が倒産したなど、従業員自身の理由ではない場合はそこまで追求はされませんが、前職時にトラブルを起こしていたのでは? 本当は懲戒解雇だったのでは? 等と疑問を持たれ、書類選考が通過しづらくなる可能性も否定できません。自己都合退職と比べて、より深く書類・面接対策を練っておく必要があります。

「失業給付をすぐにもらえるから」という目的だけで、会社都合退職にすることは、先々を考えて慎重に判断していただきたいところです。

会社都合退職なのに、自己都合退職にしてほしいと言われたら?

会社から、「会社都合ではなく自己都合での退職にしてほしい」と言われた…。そんな声を聞くこともあります。背景には、会社都合で退職されてしまうと、厚生労働省からの各種助成金(「持続化給付金」「雇用調整助成金」等、読者の皆様もニュースでお聞きになっていることでしょう)受給できなくなったり、返金に応じなければならなくなったりするという事情があります。

中小企業の場合、何らかの助成金を得て会社運営をしている事業所が多いもの。ですから「自己都合退職にしてほしい」と交渉してくるのです。経営者はスムーズに助成金を受け取るために、「今後の就職活動に影響が出るから」などと言って、自己都合退職を促しますが、それを望まないのであればきっぱり断る勇気をもちましょう。

そもそも助成金とは、労働者の生活の安定や雇用維持を目的に助成されるものです。会社都合での退職は、労働者の生活の安定を奪うものであり、全く助成金の意にそぐいません。

一人の従業員が「泣き寝入り」して自己都合退職に同意してしまうと、経営者が同様の手口で別の従業員にも「自己都合退職」を迫る等という悪循環も起こりがち。極めて不健全な状態だと言わざるを得ないでしょう。

それでは、またお会いしましょう!

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