こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。
親に結婚の圧力をかけられて婚活を始めるという人は多いです。親が娘や息子の結婚を心配するのは当然なのかもしれませんが、口の出し過ぎは子どもの婚活の足枷(あしかせ)になることもあります。
昔のエビちゃんOL服を着て、母親の友人のもとで婚活
幸子さん(仮名・30歳)が相談に来た時に「1990年代生まれで、“子”が付く名前って古風だな」とちょっと思ったのを覚えています。実際にふんわりブラウスに膝丈ベージュスカートの幸子さんは、今時の30歳には見えませんでした。
「30代になったら結婚が難しくなると思って、29歳の時に結婚相談所に入会しました。でも、30代後半以上の年上男性としか会えなくて……」。それで、私のところへ相談に来ることにしたそうです。結婚相談所のプロフィール写真を見せてもらったのですが、ピンクのアンサンブルにベージュのフレアスカートで2000年代に流行ったエビちゃんOLの生き残りです。その服は仲人から勧められたとのことでした。
「母の友達が結婚相談所を始めたので、母の勧めもあってそこに登録したんです。自分で探したわけではないですが、大手の結婚相談所連盟に加盟しているし、母の知り合いだから安くしてもらって登録できたのでいいのかなと思って」とのことでした。
幸子さんのお母様の友達のように、副業や退職後に結婚相談所を始める方は多く、年間で新規開業は1000軒以上あると思います。例えば、結婚相談所開業最大手のIBJの2021年新規開業件数は700件以上。すぐに集客できるわけでもないので、まずは友達などに声をかけて集客することが多いようです。
こんなきっかけで、あまり複数社を比較検討せず結婚相談所を決めて入会したけれどうまくいかないという方は、毎年相談にいらっしゃいます。
親の顔色をうかがいすぎて身動きが取れない
幸子さんには服装を変えてもらい、写真も撮り直すようアドバイスをしました。今まで申し込みもあまりなくお見合いが成立しても10歳以上年上だったのは、「20年前に流行ったコーディネートのままで、要するに同年代から見たら『ダサい』から」というのは納得してもらえたのですが、写真の撮り直しには難色を示します。
「仲人が良く思わないかもしれないし、写真撮影のときは母も一緒でかわいいねって言われました。だから、撮り直しにくいんですけど」
「え! お母さんと一緒に写真撮ったの!」
おもわず驚いてしまいましたが、婚活写真撮影サービスを行っている方からは29歳女性どころか「40代男性でも親同伴で写真撮影にくる婚活者さんはいる」と聞きます。 高齢者が運営していて、親からの紹介でしか会員が入会しないような結婚相談所も全国にあり、親と一緒に婚活する人たちは一定数いるのです。
仲人や親の顔色をうかがいすぎる幸子さんでは、そこの結婚相談所では何も身動きがとれなそうです。もっと服装についてアドバイスしてくれる結婚相談所もあるし、そもそもそんなに親に情報を共有したりするような結婚相談所の方が少ないので他のサービスの乗り換えも提案しましたが、幸子さんはご相談の時間内には決められないようでした。
幸子さんには、「帰りの電車でアラサーぐらいのカップルがいたら女性側の服装を観察して」と伝えました。