40代でひとり暮らしをしていると、お金も時間もある程度自由に使えることでしょう。一方で、「このままずっと独身だったら老後はどうなるのか」と不安を感じることもあるかもしれません。そこで今回は、40代おひとりさまが安心して老後を迎えるために、今からできることを5つ紹介します。

①老後の生活費の目安を把握する

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2021年平均結果」によると、65歳以上の単身無職世帯の支出は月14万4,747円です。支出の大部分を占める消費支出のうち、最も高いのは「食料」の3万6,322円(27.4%)で、「住居」は1万3,090円(9.9%)となっています。

あくまでも平均であり、誰にでもそのまま当てはまるとは限りませんが、老後の生活費を把握するうえでひとつの目安にはなるでしょう。一生賃貸で暮らす場合は家賃を払い続ける必要があるため、住居費の負担が増える可能性があります。

②今後の病気や介護にかかるお金を確認する

おひとりさまが老後に備える場合、考えておきたいのが病気や介護にかかるお金です。通常は年齢を重ねるほど体力が衰え、病気にかかりやすくなります。

結婚していれば、配偶者や子どもに金銭面を含めたサポートをお願いできるかもしれません。しかし、おひとりさまは自分で将来の病気や介護に備える必要があります。まずは公的保険制度の内容を理解したうえで、病気や介護にかかるお金を試算しましょう。

現役世代の医療費の窓口負担割合は3割ですが、75歳からは「後期高齢者医療制度」によって1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)に軽減されます。まとまった医療費がかかった場合は、「高額療養費制度」を活用することも可能です。

介護についても、介護保険によって要支援・要介護の状態に応じたサービスを受けられます。

公的保険のみで不安な場合は、必要に応じて民間保険への加入を検討しましょう。

③老後の収入や生活費を予測して今から資金を貯める

独身のまま老後を迎えた場合、収入や生活費がいくらになるかを予測します。

老後も働くなら一定の収入を確保できますが、定年後はこれまでより収入が下がるかもしれません。働かない場合は、基本的に年金収入のみとなります。

上述したように、おひとりさまの老後に必要な生活費は月15万円程度が目安です。ただし、実際にかかる生活費はライフスタイルによって変わってきます。

住宅ローンがない持ち家があり、図書館などの公共サービスを活用できるなら、お金をかけなくても楽しく過ごせるかもしれません。一方で、趣味や旅行、友人との交流など楽しみながら豊かな老後を過ごしたい場合は、より多くのお金が必要になるでしょう。

老後の家計が赤字になると考えられる場合は、今から資金を貯めることが大切です。積み立てを活用し、収入から毎月一定額を貯蓄に回せば無理なく老後資金を準備できます。