この特集では、投資の知識がゼロでも分かるように、「投資信託」についてイチからじっくり解説していきます。

☆登場人物紹介
あんずちゃん ……DAILY ANDSのゆるキャラ。株とお酒が好物。
>あんずちゃんとは?
みらい ……あんずちゃんの友人。ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持ち、投資信託に詳しい。
 
***
 
あんずこの間は投資信託がどんなものか教えてくれてありがとう!運用のプロにお金を預けて、いろんな企業や国に投資してもらう便利な金融商品だっていうことがわかったよ。ところで投資信託は株と違って、儲かっているのか損をしているのか、わかりづらい感じがするんだけど、そこらへんはどうなのかな?」
 
みらい 「そうだね、投資をする以上は、そこを意識するのは大切なことだよね。今回はリターンについて教えるよ!」
 
※前回の記事はこちら→第1回 ゆるキャラが解説!「投資信託」基本のき

投資信託のリターンとは?

(写真=ITTIGallery/Shutterstock.com)

<みらいちゃんは「投資信託」のリターンについて次のように解説してくれました>
 
投資信託のリターンは、主に2種類あります。

①基準価額(きじゅんかがく)

株の値段は「株価」といいますが、投資信託の値段は「基準価額」(きじゅんかがく)と言います。

単位は「1口」または「1万口」で、株式や債券の値動きによって毎日数字が変わります。「基準価額」が上がればリターンは大きくなりますし、下がればリターンは小さく(もしくはマイナスに)なります。

②分配金(ぶんぱいきん)

投資信託の資産の中から決算後に支払われる金額のことを「分配金」と言います(支払われない場合もある)。株の分配金にも似ていますね。
 
ただし、株とは違って投資信託の「分配金」には2種類あり、投資信託が儲かった時に利益から支払われる「普通分配金」と、投資信託が儲かっていないけれど元本を切り崩して支払われる「元本払い戻し金」があります。
 
通常、金融商品の取引で出た利益には20.315%の税金がかかります。儲かっている時に支払われる「普通分配金」には税金がかかるのに対して、儲かっていない時に支払われる「元本払戻金」には税金がかかりません。
 
みらい 「分配金について詳しくはまたあとで説明するけど、まとめると、この2つから手数料を引いた金額が私たちが投資信託の運用で得た利益、ということになるね」

投資信託のトータルリターン(利回り)はどのくらい?

あんず 「分配金がもらえるからって必ずしも安心できるわけじゃない……っと(メモメモ)。で、実際の投資信託ってどれくらいリターンがあるの?」
 
みらい 「表をつくってきたから、これを見て!」
 

 
あんず 「数字がいっぱい……」
 
みらい 「この表は、ある2つの投資信託の過去9年間のトータルリターン(利回り)と基準価額を並べたものだよ」
 
あんず 「トータルリターンって何?」
 
みらい 「基準価額と分配金を足して、そこから手数料を引いた金額のこと。例えば基準価格が1万円の投資信託を購入して、1年後に1万1000円になったとする。1年間にもらった分配金が1000円で、手数料が1000円だったとすると、トータルリターンはどれくらいでしょう?」
 
あんず 「1000円がいっぱい出てきた!」
 
みらい 「ほら、ふざけてないで計算してみて!」
 
あんず 「はい……。えーっと、1万円が1万1000円になって、さらに1000円もらえるから、利益は2000円でしょ。そこから1000円の手数料を引くから、トータルリターンは1000円?」
 
みらい 「正解!で、投資資金が1万円だから利回りは10%になるよ。1万円を使って1000円儲けたってことだね」

あんず 「えー!そんなに儲かるならぜひ買いたい!」