パチュリ(パチョリ)は香水では欠かせない香料の1つです。今回の記事ではパチュリがどのように採取されているのかどのような香りがするのか、さらに効果・効能やパチュリが使われているフレグランスをピックアップしています。またパチュリの香りだけを楽しみたい人にはアロマオイルがオススメです。パチュリを100%楽しむ方法をお伝えしますのでぜひ最後まで読んでみてください。
パチュリ・パチョリってどんな香り?効能は?
パチュリ・パチョリとはどんな植物なの?
パチュリ(パチョリ)はシソ科の植物で、主に亜熱帯地方(インド・マレーシア・ミャンマー・インドネシア・エクアドルなど)で広く栽培されています。見た目はシソにそっくりで秋には写真のような淡い紫色の花をつけます。漢方ではパチョリのことを「霍香(かっこう)」と呼び、霍香正気散などに処方されます。
また葉は乾燥させると香りが強くなります。水蒸気蒸留法(蒸気で葉を蒸して精油を採取する方法)で採取しますが、1kgのパチュリの精油を採取するために33kgの乾燥葉が必要です。
どんな香り(匂い)がするの?
多くの人がパチュリ(パチョリ)の香りをかぐと「墨汁」をイメージすると言います。湿った土のような香りという人もいれば、カビのようだ(!)と表現する人もいるぐらいです。
数あるアロマオイルの中でも好き嫌いが別れる香りですが、アロマの世界に長く関わっている人はかえってこのパチュリの香りに魅了されるようです。実際にパチュリはフレグランスの調香には欠かせない存在で、この後ご紹介するパチュリを使用した人気の香水もたくさん登場しています。
またほとんどのアロマオイル(精油)は時間の経過とともに香りが劣化していきますが、パチュリは逆に時間が経てば経つほど香りの質が向上します。
主にメンタル面に効果・効能が期待できる
パチュリ(パチョリ)の効果・効能として、鎮静・抗うつなどメンタル面の安定に役立つことが知られています。心配・不安な気持ちや緊張を和らげてくれます。
また催淫(性欲を高める)に対する効果・効能もあるのでベッドルームの雰囲気作りにも役立ちます。ただしパチュリー単独では独特の香りが気になる人もいるので、ほかのオイルとブレンドする方法もあります(この後で詳しくお伝えします)。
そのほかの効果・効能
またインドでは衣類・カーペット・カシミヤ製品の保管のためにパチュリ(パチョリ)による防虫効果を利用していました。昔のシルクロードの商人たちも貴重なシルクを虫害から守るためにパチュリーを利用していたといいます。
実際にコットンにパチュリを数滴含ませて、衣類の引き出しの中に入れておくと効果的です。ただしパチョリの独特の香りに抵抗がある人もいるので、家族と同居している人は使いすぎないよう注意しましょう。
パチュリ・パチョリの匂いのおすすめ香水10選(前編)
ディプティックの50周年を記念する香水「テンポ(Tempo)」
2018年3月に発売されたディプティックの新作「テンポ」はパチュリの香りがメインです。3つの異なるパチュリーの香りとピンクペッパー・セージ・ベルガモットを加え、さらに奥の深い香りのフレグランスとなっています。
パチュリの育った亜熱帯の深い森の奥に住む精霊や動物たちをイメージしたラベルが印象的ですね。テンポはディプティックが最初にオードトワレを発表した1968年から今年で50年になるのを記念して、「フルールドゥポー」と同時に販売された香水です。
ティファニーの15年ぶりの新作香水「ティファニーオードパルファム」
ティファニーから15年ぶりに登場した新作「ティファニーオードパルファム」にもパチュリが使われています。香水自体はティファニーとゆかりの深いアイリスの花をイメージしたものとなっていますが、ラストノートのパチュリとムスクがセクシーな気分を引き立ててくれます。
ティファニーオードパルファムは、グリーンマンダリンがトップのホワイトフローラル系の香りがいい!と口コミでも評判です。口コミ・レビューではさわやかな香りという意見が多いので、パチュリの独特の香りはあまり気にならないようです。
ジョーマローンで一番人気の香水「イングリッシュペアー・フリージア」
ジョーマローンで一番人気の香水が「イングリッシュペアー&フリージア」です。フリージアが優しく包み込む洋梨(キングウィリアムペアー)の熟した官能的な香りを、パチュリ・アンバーなどの香りが引き立てています。かわいい・甘いフルーツというよりも大人の果実といった感じでしょうか。
深く甘みのある匂いが口コミやレビューでも好評ですが、中にはパチュリの香りがずっと残るといった声もありました。ジョーマローンで一番人気ということで購入する人もいますが、やはりパチュリの香りが気になっている人も少なくないようです。できれば香りを試してから購入することをおすすめします。
生きる喜びがテーマの香水・アニックグタールの「ローズポンポン」
「生きる喜び」をテーマにして誕生した香水がアニックグタールのローズポンポンです。ブラックカラント・ラズベリーなどのフルティーな香りに上品なブルガリアンローズが加わり、ラストノートにパチュリやホワイトムスクが香る、まさしく「喜び」が感じられるオードトワレです。
実際に愛用している人からは「イメージ的にはすごく甘ったるい感じがするけど、実際はふんわりと軽くやわらかな香り」という声もあります。また美しいボトルやパッケージにも注目が集まっています。
パチュリ好きにオススメのモンタル「パチュリ・リーヴ」
シストローズ・オーク・パチュリの3つが絡み合うことで生まれたのがモンタルのパチュリ・リーヴです。渋めのウッド系の香りに甘いバニラの香りがプラスされたような感じといった感じでしょうか。スプレー缶のようなボトルもおしゃれで気になります。
香水の名前になっているようにパチュリの香りがメインの香水です。パチュリ・リーヴならパチュリ本来の効果・効能も期待できそうで、パチュリ好きにはたまらない香水となっています。しかし口コミではむしろウッド系の香りや甘い香りの方が印象に残りやすいようです。
パチュリ・パチョリの匂いのおすすめ香水10選(後編)
大人の香水・グッチ「ギルティ(GUILTY)」
グッチのギルティ・アブソリュートの女性向けオードパルファムで、2018年1月に発売開始されています。深みのあるブラックベリーにウッディゴールド(天然のアラスカヒノキ由来)とブルガリアンローズ、さらにスイート・ダーク・アーシーの3つのパチョリが加えられ、地中海をイメージさせる香りとなっています。
一言で言うとスパイシーでセクシー、オリエンタルな大人の女性の香りです。レビューでは大人の雰囲気を出したいときに使う・寒い時期につけたくなるといった声が多く聞かれました。
トムフォードによる洗練されたパチュリの香水「パチュリ・アブソリュ」
現代的なパチュリをイメージさせると注目のトムフォードの「パチュリ・アブソリュ」は、都会的なクールさの中にも官能的なものを感じるミステリアスなフレグランスです。トップではベイリーフとローズマリー・モスが新鮮に、ミドルではパチュリとウッドがやさしさを添えて、最後にはムスクがの香りが残ります。
パチュリという名がついているので、パチュリ本来の香りを知っている人は墨の香りがメインのように思うかもしれませんが、実際にパチュリの独特の香りは一瞬、あとはベースの香りが残るといった感じです。女性の魅力を引き出す香りとは言い難いですが、都会的・クールな雰囲気の人に好まれる香りです。
キールズで根強い人気の香水「オリジナルムスク」
キールズのオリジナルムスクはムスクだけではなく、ネロリ・バラ・イランイランなどのフローラルに始まり、最後にパチュリ・ムスクの香りが残るフレグランスです。1963年に発売されて以来、現在に至るまで多くの人に愛用されてきた香りです。
使っていて通り過ぎた時などに人から「いい香りがする!」とよく言われるといった口コミもあります。ベースにパチュリが使われていますが、パチュリ独特の香りはほとんど気にならないようです。
口コミでも人気の香り!ジバンシィ「アンジェ・デモン・シークレット」
グリーンティーリーフやイタリアンウィンターレモンなどから始まり、最後にはパチュリとホワイトムスクが香ります。「アンジェ・デモン」という名の通り、天使のような清純さ・無邪気さと官能的な香りが一体となっている魅力的なフレグランスです。
天使と悪魔というネーミングにも関わらず、しつこくない・強い主張がなく使いやすいと口コミでも評判です。また美しいボトルのデザインや、甘いのにさわやか、清純なのに官能的といったギャップも人気の理由の1つとなっています。
英国王室御用達のフローリス「パチュリ(PATCHOULI)」
英国王室御用達のフローリスにもパチュリのフレグランスがあります。トップノートにはココナッツミルクとバイオレットリーフが、さらにパチュリやシダーウッド・イランイラン・ローズといったミドルが香り、最後にフランキンセンス・ミルラなどが残ります。
パチュリの香りよりもむしろココナッツミルクなどの甘い香りの方が強いという口コミ・レビューがありました。パチュリ独特の香りは気にならないけれども他の香りの方が目立っているといった感じでしょうか…。フローリスのパチュリに関しては新宿伊勢丹・阪急メンズ東京のみで限定販売となっています。