和菓子ではなく、「おはぎ」というジャンルの料理
――優しい甘さだったんですね。和菓子という全く別ジャンルのものを作るのは大変ではなかったですか。
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小川「昔、スペインバルで働いていたことがあるのですが、調理についてはおはぎもスペイン料理もデリカテッセンのお惣菜も考え方や作り方は同じだと思っています。おはぎにはつぶあん・こしあん以外に白インゲン豆を使っているのですが、白インゲン豆はスペイン料理などヨーロッパでもサラダや煮込み・ペーストなどでもよく使います。ですので、和菓子を作っているのではなく、『おはぎ』というジャンルの料理を作っているという感覚でいます」
季節の移り変わりを感じられる日替わりおはぎ
――どのおはぎもとても美しくおいしそうなのですが、7種類を日替わりで提供するのはデザインを考えるのも作るのも大変そうです。
小川「たしかに種類が毎日変わるのでそれを考えるのは大変ですが、毎日変わるおはぎを通して日々感じる季節の移り変わりをお客様にお届けしたいと思っています。定番のおはぎがないので『いつもの味』をお届けすることはできないのですが、次に来ていただいた時に前回を超える美味しさをお届けしていくことで、お客様との信頼関係ができるのではと考えています」
――デザインや味はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
小川「季節の花をモチーフにスタッフで考えています。和菓子のように花をデフォルメして表現するのではなくて、咲いてる花をそのまま表現したいと考えているので実際に花を見ながらデザインを考えています。箱におはぎを詰めていく作業は、花を箱に並べているような感覚で私自身もとても楽しいです。おはぎを食べながら、季節の移り変わりや日々の変化を感じていただき、五感で季節を楽しんで頂ければと思います」