インフルエンサーがこれだけたくさん存在する今、“インフルエンサー”を目指す価値はあるのでしょうか?とっくにレッドオーシャンの業界なのでは?しかし、市場規模を調べてみたところ、インフルエンサーマーケティングはまだまだ伸びしろのある市場であることがわかりました!

2028年には933億円規模になる?

辞書の出版で有名な三省堂が選ぶ「今年の新語2017」で、“忖度”に続き、第2位に選ばれた“インフルエンサー”という言葉。当時はまだ「インフルエンサーってなに?」と首をひねる人が大多数でしたが、いまや人気インフルエンサーは地上波テレビや雑誌でも特集される憧れの存在となりました。

もしかすると、今からインフルエンサーを目指すことは完全な悪手のように感じられるかもしれません。ですが、株式会社デジタルインファクトが2019年3月に発表した調査結果によると、インフルエンサーマーケティング市場は今後ますます伸びていくそうです。

インフルエンサーマーケティング関連事業者、広告代理店、媒体社各社を対象に、各種公開情報の収集やヒアリング調査を実施したところ、2018年のインフルエンサーマーケティング市場は219億円と推定。なんと2023年には500億円を突破、2028年には933億円まで伸びると予測しています。

また、2018年のチャネル別内訳はYouTubeが39%、Instagramが27%と算出されています。

YouTubeは若年層、インスタは女性向けのプロモーションが拡大

YouTubeにおいては、アプリや子ども向け商材、家電、エステやコスメなどのサービスに関して、若年層に大きな影響力を持つYouTuberを起用したプロモーション需要が拡大しているそう。

一方のInstagramにおいては、20~30代の女性をメインターゲットに設定したブランドや商品、サービスを訴求するプロモーション需要が見られたそうです。

デジタルインファクトの分析によると、「従来は、登録者やフォロワー数が極めて多い一部の有力なインフルエンサーによる効率的なリーチ獲得を目的としたプロモーション需要が多く見られましたが、近年はすそ野がより広がり、比較的中小規模のコミュニティーを持つマイクロインフルエンサーと呼ばれるインフルエンサーの活用が進みつつあります」とのことです。

これからのインフルエンサーに求められるのは、広く浅く愛される能力よりも、少々マニアックな知識や尖ったセンスなのかもしれませんね。

グリーはVTuberに特化した新会社設立

今後さらに成長するであろうインフルエンサーマーケティング市場に進出する!……と決めたところで、重要になってくるのが発信のチャネルです。

株式会社CA Young Labが2018年1月に発表した国内YouTuber市場動向調査の結果では、2017年の市場規模は219億円で前年比約2.2倍になると見込んでおり、さらに2022年には2017年比約2.6倍、579億円になると予想していました。

少し古い情報ではありますが、現在も続くYouTuber人気から考えると、さらに成長していくであろう市場だというのは納得です。

勢いを増すVTuber

とくに2018年頃からはVTuber(バーチャルYouTuber)が勢いを伸ばしており、トップVTuberであるキズナアイはNHKにも進出。また、テレビ東京では、VTuberが主演を務めるドラマ「四月一日さん家の」が放送され、2020年4月からドラマ第2期も放送中です。

さらにグリーは2018年4月、VTuberに特化したライブエンターテインメント事業を行う100%出資の新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を設立。100億円規模を投資する予定だと宣言しました。

衰え知らずのInstagram

また、Instagramは2019年6月、国内の月間アクティブアカウント数が3,300万を突破(2019年3月時点)したことを発表しました。

さらに「Instagramが日本経済に与える影響」という調査リポートも発表しており、その中では、インバウンド観光・中小規模ビジネス・女性起業家・若手起業家の4つの分野においてInstagramが重要な存在だと捉えられていることが報告されています。

デジタルインファクトによる調査結果では、2018年のチャネル別内訳でYouTubeとInstagramが1位と2位になっていましたが、両者の勢いはまだしばらく続きそうですね。