会社に勤めている場合、年金保険料は給料から源泉徴収されます。そのため、転職するまで一度も年金について意識したことがないという人もいるのではないでしょうか。年金は年金保険料の未納期間があると、将来受け取る金額が減ってしまいます。そうしたことにならないよう、転職時に必要な手続きや基礎知識について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
年金制度の仕組み
年金制度には、20歳以上60歳未満の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」の2つの制度があります。自営業の人は国民年金だけに加入しますが、会社員や公務員などは国民年金と厚生年金の両方に加入します。
厚生年金に加入していると、自動的に国民年金にも加入したことになるため、自分で国民年金保険料を納める必要はありません。また、厚生年金保険料は会社側と折半して支払うことになるので、会社員や公務員自身が支払う保険料は、給与から計算される年金保険料の半額のみとなります。
なお、厚生年金制度では、加入年齢の下限は特に決められていません。そのため、未成年でも会社でフルタイムで働いている場合などは厚生年金保険料を納める必要があります。
自分で手続きが必要なケース
仕事を辞めてから転職先での仕事が始まるまでの間に「離職期間」がある場合には、年金制度の切り替え手続きが必要になることがあります。
どちらの会社にも所属していない期間があると、その期間中は「厚生年金にも国民年金にも加入していない状態」となってしまうため、自分で住民票がある地域の役場の年金課に出向き、国民年金資格取得手続きをしなくてはなりません。
国民年金資格取得手続きの必要が生じるケースには、以下のものがあります。
- 退職から就職までに離職期間がある場合
- 再就職する予定が決まっていない場合
- 個人事業主として働く場合
自分で手続きが不要なケース
転職先が法人企業で、なおかつ離職期間がない場合には、国民年金資格取得手続きは不要です。
厚生年金に加入している配偶者の被扶養者になる場合
退職して厚生年金に加入している配偶者の被扶養者になる場合も、退職した人自身が年金の手続きをする必要はありません。ただし、退職した月に配偶者の勤務先で扶養に入るための手続きを行う必要が生じます。配偶者が会社の総務等に問い合わせ、滞りなく手続きをしましょう。