シャンプー後やお散歩時の突然の雨などで愛犬の体が濡れてしまったとき、どのように乾かしていますか?
しっかりとドライヤーで乾かしてあげたいけれど、上手にできない、タオルドライで精一杯…そんな飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ここでは、犬をドライヤーで乾かすときのコツや、上手なドライヤーの選び方などをご紹介します。
1.犬用ドライヤーの必要性
犬は、皮膚を守るために全身が被毛や油膜に覆われていて、多少の水分であれば油膜などにより水分を弾きます。しかし、その水分量が多い場合はどうでしょうか。
中でもシャンプー後は、汚れや皮脂を洗浄することにより皮膚までしっかりと濡れているため、タオルドライだけでは十分に水分を拭き取ることができません。
皮膚や被毛に水分が残ったままだと細菌が繁殖したり、水分を気にする犬が舐めたり掻きむしることによって、皮膚炎を起こしてしまうことも。
また、体温が下がることで、免疫力の低い子犬や老犬は体調不良の原因にもつながりかねません。
そういったトラブルを防ぐためにも、犬でもタオルドライや自然乾燥ではなく、しっかりとドライヤーで皮膚を乾かしてあげる必要があります。
2.人間用のドライヤーとはどう違うの?
人間用のドライヤーと犬のドライヤーには、主に「温度設定」と「構造」に違いがあります。
温度設定
一般的に人間用のドライヤーの平均温度は100〜120℃といわれ、 温度が高いものでは140℃になるものも。これでは犬にとっては熱すぎてしまい、やけどなどの皮膚トラブルの原因になります。犬の被毛を乾かす際は60℃くらいの低温の風が適しているため、この温度設定は大きな違いと言えるでしょう。
構造
人間用のドライヤーは、乾かした際の抜け毛がドライヤー内部に吸い込まれてしまうことがありますが、犬用のドライヤーは抜け毛が入らないように設計されているものが多いです。
人間用で代用する場合
あまりおすすめはできませんが、やむを得ず人間用のドライヤーを使用するときは、必ず”弱風”かつ”低温”の設定で。
また、必ず犬の体から十分に離れた位置から風を当てるようにしましょう。
3.犬用ドライヤーでの乾かし方と注意点
体に近づけすぎないようにする
ドライヤーを当てるのは、犬の体から20~30cmほど離れた所から。飼い主さんの手を犬の体に近づけて、温風が熱すぎないかを確認しながら当てていきましょう。
突然大きな音が出ないようにする
突然”強風”で大きな音を出してしまうと、驚いてしまう犬もいるでしょう。
ドライヤーの使い始めは”弱風”の設定からスタートさせ、音や風の強さに慣れてきたら”強風”に切り替えるようにしましょう。
怖がる犬には、ドライヤーを使う前に音を聞かせておいたり、その際におやつを与えるなど、日頃から慣らしておくと落ち着いてくれる場合もあります。
顔から離れたところからスタート
顔回りに風が当たるのを嫌がる犬が多いため、最初は顔から離れたところから乾かしはじめましょう。顔を乾かすときには、飼い主さんの手を犬の目の前にかざして、直風が当たらないよう工夫してあげてください。
特に、目に直風や熱が当たると眼球を傷つけてしまったり、ドライアイの原因にもなるので、細心の注意が必要です。
声をかけながら乾かす
慣れないドライヤーに恐怖心や緊張感を覚える犬もいるでしょう。そんなときには、飼い主さんが笑顔でやさしく声をかけながら、乾かしてあげると良いです。
4.犬用ドライヤーの選び方は?
①風の強さ
■風が強め
風が強い犬用ドライヤーとして代表的なものが「ブロアー」です。強力な風で水分を吹き飛ばしながら乾かすドライヤーで、一般的にはトリミングサロンなどで使われていますが、家庭用として販売されていることもあります。
温風が出ないのでやけどなどの心配もなく、短時間で乾かすことができます。長毛種や大型犬などにおすすめですが、とても風が強いので顔回りには使用しない方が安心です。
■風が弱め
弱風設計のドライヤーは、やさしく静かに乾かすことができます。乾かす時間が長くはなりますが、風が弱い分音も小さいので、ドライヤーの苦手な犬におすすめ。
デリケートな顔回りにも安心して使用できます。
②低温度に設定できるもの
たくさんの被毛の内側に隠れている犬の皮膚はとてもデリケートです。
高い温度の風では思わぬ皮膚トラブルを引き起こしてしまう可能性があるので、温度は段階設定ができるもので、確実に低い温度で使用できるドライヤーが安心でしょう。
③乾かし方に合った形状
■スタンドタイプ
台や床に置いたまま使用できる置き型のドライヤーです。
飼い主さんの両手が空くので、犬の体を固定させながら乾かすことができとても便利。
風を当てながらブラッシングなどができるところも、大きなメリットと言えるでしょう。
■ハンディタイプ
人間用のドライヤーと同じような、手で持つタイプのドライヤー。
スタンドタイプでは風を当てづらいお腹回りなどをスムーズに乾かすことができます。
また、指の間や内股など、体の細部を乾かす際にもとても便利です。
④ドライヤーを嫌がる犬には静音設計
ドライヤーが苦手な犬は、その大きな音が理由であることが多いでしょう。愛犬の性格などを考えながら、音が苦手な場合は静音設計のものを選ぶことをおすすめします。
⑤抜け毛が入りにくい構造
ドライヤー中には被毛が抜け落ちますが、万一その抜けた毛がドライヤーの内部に吸い込まれてしまうと、ドライヤー内部の焦げや故障につながりかねません。
抜け毛の吸い込みを防ぐガードがセットされているドライヤーを選ぶのが安心でしょう。
⑥巻き毛の犬種にはノズル付きが便利
トイプードルのように被毛が濡れるとクルクルと巻き毛になる犬種の場合、手で乾かすだけでは毛並みがきれいに整わないことがあります。
そんなときはドライヤーにノズルを付けて、ブラシなどで根元からしっかりと被毛を伸ばすように乾かすと、きれいに仕上げることができます。
ノズル先の平らなものや細口になっているものなど、何種類かセットになっていると便利です。