キロンという小惑星をご存知ですか? キロン(カイロンとも呼ばれる)は土星と天王星との間にある天体です。西洋占星術では「傷ついたヒーラー」といわれ、人生における傷や、それをどう克服していくかということを表します。ホロスコープでのキロンの位置や他の惑星とのアスペクト(角度)によって読み解いていきます。

占星術!小惑星キロン(カイロン)とは?

占星術における小惑星キロンの意味

小惑星キロン(Chiron/キロンまたはカイロンとも呼ばれる)はギリシャ神話の知識の神「ケイロン」から名づけられました。占星術においてキロンは「傷ついたヒーラー」という意味があります。他にも「医術」「占星術」「異端者」「精神世界」などの意味を持ち、魂の傷やそれをどう癒していくかをあらわしています。

キロン(カイロン)は占星術でみる主要な10天体の内には入っていないので、その影響や意味を読まない場合もあります。しかし自分の奥深い部分や、トラウマなどの心の傷について読み解いていく時には、とても重要な鍵になることがあります。

自分のホロスコープ(生まれたときの天体の配置図)を出した時にまず見るのは、太陽をはじめとする10の天体(太陽・月・水星・金星・火星・土星・天王星・海王星・冥王星)がどこに位置しているのか、天体同士がどのような角度(アスペクト)をとっているのか、ということです。キロンについて見る時も同様です。

キロン(カイロン)であなたの心の傷がわかる

キロン(カイロン)は、心の傷やトラウマといった、私達が人生を通して探求し癒していく問題を表しているとされます。キロンはあなたがどんなことで傷ついたり、逆に他人を傷つけてしまうのかについて教えてくれます。それを克服していくことが、あなたの人生をよりよく生きるためのテーマにもなります。

キロンを克服すると、同じ傷をもつ人を導いていくことができるとされています。キロンが「傷ついたヒーラー」といわれているのはそのためです。自分が乗り越えた傷だから理解することができ、それを癒す事ができる。自分の内にある困難を乗り越えることによって、人生を変えていく鍵となる。それをキロンが教えてくれます。

あなたのホロスコープでキロンがどこに位置しているのか、キロンと他の天体とのアスペクト(角度)はどのようになっているのか。それを読み解いていく事によって、あなたの心にひっそりと存在する傷がどんなもので、どうやって乗り越えていくかがわかるかもしれません。

キロン(カイロン)の記号とアスペクト

まずは、あなたが生まれた時のキロンの位置をホロスコープで探してみましょう。無料でホロスコープを出せるツールは数多くあります(キロンが表示されないものもあるので注意してください)。○にKが乗っかっている、鍵のような記号がキロンのマークになります。この記号がどの星座なのかを確認します。

キロンの星座がわかると、あなたの持つ傷の「雰囲気」がわかります。キロンと他の惑星(主に10天体)とのアスペクト(角度)にも注目してみましょう。アスペクトする天体によって、どんなことであなたが傷ついているのかがわかります。

心の傷やトラウマを見つめることはとても苦しい作業です。しかしその傷を見つめて乗り越えることで、今までとは違った自分を感じられるようになるでしょう。今までの自分を乗り越える鍵は自分の内側にあるのです。キロンはそれを教えてくれます。

牡牛座のキロンは物質的な傷を持っている

例えば、ホロスコープの牡牛座にキロンがあるとき、キロンは牡牛座的な雰囲気を持っていると考えます。牡牛座は「所有」や「着実」をテーマとする星座です。牡牛座にキロンがある方は満たされない思いを抱えていたり、評価に関する劣等感を持っていることがあります。

また、キロンが太陽とアスペクトしていると、自己のイメージやアイデンティティにトラウマを抱えていたり、父親(太陽は父の象徴)との関係に傷を持っていることがあります。月とアスペクトしているときには、月の象徴する感情や母親との関係にできた傷をあらわすこともあります。

このように、キロンの星座やアスペクトを見ることで、心に抱えた傷やトラウマが見えてくることでしょう。ぼんやりとしたものかもしれませんが、それを丁寧に紐解いていき、自分の内側を見つめることが、癒しへの第一歩です。自分の内側を見つめるのには、下記のようなキーワードもありますので参考にしてみてください。

キロンや占星術について詳しく学べる本・書籍は?

キロン(カイロン)について単独で扱う本はまだない

キロン(カイロン)について単独で扱う本は、日本ではまだ出版されていません。ただ、心の傷やトラウマについて考える時に、重要な星としてページをさいて記載されている本はあります。キロンは「占星術」という意味も持っています。占星術について知ることで、キロンについても、より深く感じられるでしょう。

キロンは1977年に発見されてから、まだ40年ほどしか経っていません。発見された当時には牡牛座にありました。キロンの公転周期は約50年で、ようやく今年の春に春分点といわれるスタート地点の牡羊座に巡ってきました。キロンが発見されてから、初めて春分点を通ることになります。

キロン(カイロン)については、まだ解っていない事も多いようです。しかし、ここ数年キロンや他の小惑星についても考察がされています。ここでは、占星術の基礎について学ぶのにお勧めの書籍や、キロンについて触れてある書籍を紹介していきます。

占星術お勧め本3冊

占星術について知りたいあなたにお勧めする本

西洋占星術入門 / 松村 潔

神々の星 / 海部 舞

スマホでかんたんホロスコープ 占星術チョー入門 / キャメレオン竹田

① 西洋占星術をこれから学ぶ人にも、ずでにご存知の方にもお勧めの入門書です。著者の松村 潔先生は数多くの占星術の本を出版されています。占星術についての知識がコンパクトにまとまった一冊です。具体的にホロスコープを見る方法やアスペクトについてもしっかり解説されています。

② 占星術の本を数冊出版されている人気占星術師さんです。この本では「トランスサタニアン」と呼ばれる天王星、海王星、冥王星について解りやすい説明がされています。キロンを含む小惑星についてもこの本では紹介されています。占星術について知識があまりなくても、解りやすい説明がされています。

③ ホロスコープについてざっくり知りたい初心者の方にお勧めの本です。キャメレオン竹田さんの本はどれも解りやすいです。アスペクトについては説明がカットされていますが、その分占星術について何も知らない方でも理解しやすい内容になっています。入門とされる本を読んでも難しい、と思われる方は一度読んでみては。