結婚後、どのように家計管理をしていくか、夫婦のあいだで避けて通れない話題です。家計の管理方法は家庭によってさまざまですが、共働き夫婦の場合、「夫婦別財布だとなかなかお金が貯まらない」というのはよく聞く話。しかし、夫婦別財布でも上手くやっている家庭はたくさんあります。そこで今回は、夫婦別財布で失敗しがちな例やどんなルールを作れば上手くいくのかを紹介します。

夫婦別財布の共稼ぎ夫婦が上手く家計管理できない理由とは?

(画像提供:chachamal/stock.adobe.com)

家庭を維持するにあたり家計管理は避けて通れません。そして、家計管理は夫婦が協力し合うことで成り立つ部分が大きいものです。以下、夫婦別財布が上手くいかない理由に思い当たることはありませんか?

家計全体のお金の流れが不明になる

夫婦別財布の場合、お互いの収入や支出が不透明になりやすいです。夫婦それぞれがしっかり稼いでいたとしても、支出がわからなければ貯蓄もできません。また、夫婦別財布が上手くいかない原因のひとつに、「自分で稼いだお金なのだからどう使おうと自由」という考え方を捨てられないことがあげられます。

お互いが自由にお金を使っている状態だと、家計全体のお金の流れが把握できません。用途不明金などが発生しやすく、いざ節約をしようにも何に浪費しているかわからなければ見直しもできません。もちろん貯蓄も難しいでしょう。

相手が貯めているだろうという甘えがある

夫婦別財布だと、貯蓄もそれぞれで行うスタイルをとる家庭が多いようです。しかし、いざ蓋をあけてみたら相手がまったく貯蓄していなかったというのはよくあるパターン。

きっと相手が貯蓄してくれているはずとお互いが思っていたら、いつまでたってもお金は貯まりません。夫婦別財布の場合、「きっと~だろう」という勝手な期待は失敗のもとです。

共通の目的がない、片方に負担がかかる

「長期休暇に旅行に行こう」「〇年後にはマイホームを建てたい」など家族に共通の目標があればそれに向かって貯蓄の計画が立てやすいもの。それぞれ毎月いくら貯めれば〇ヵ月後には〇円貯まるといった具合です。

しかし、旅行の手続きをしたほうが支払いをする、相手に相談せず大きな買い物をするなんてことを繰り返していたら、「いつも自分ばかり支払いをしている」「自分は節約しているのに、相手は欲しいものをすぐ買ってしまう」と不満を抱えてしまいます。

片方に負担がかかりストレスを溜めてしまうようでは、最悪の場合、夫婦仲の危機にまで発展する可能性さえあって、注意が必要です。

共稼ぎ夫婦が上手くやっているお金の管理方法

(画像提供:monet/stock.adobe.com)

夫婦別財布でも上手くやっている夫婦はたくさんいます。夫婦別財布を成功させる秘訣は、しっかりルール化することと、片方に負担が偏らないようにすることです。この原則を押さえつつ、さまざまな家計管理の具体的な方法を紹介しましょう。

共同口座に一定額を入れる

家計用に共同口座を作り、毎月お互いの収入のなかから一定額を入金する方法です。家計に関する出金や貯蓄はこの口座ですべて行うようにします。クレジットカードの引き落としもこの口座に紐付けをしましょう。

共同口座を作れば、どちらかに負担が偏ることを回避できます。また、入金する分以外はお互い関与しないことにしておけば、自由に使えるお金も確保でき心理的負担も軽減できます。

共同口座を作るときのポイントは、新規で口座開設することです。既存の口座での個人の入出金とは分け、家計管理にだけ使用することを厳守しましょう。そうすることで、家計のお金の流れが一目で分かり、貯蓄額も把握しやすいはずです。

夫婦で支払い項目を分担する

夫は家賃、妻は食費と光熱費など支払い項目で分担をする方法です。夫婦で支払い項目を分担するときは、家賃が値上がりした場合や子どもが産まれて食費がかさむようになった場合にどうするかなど、支出額が変動した際の対応も決めておくと安心ですね。

片方が生活費、片方が貯蓄を担当

家賃や食費など日々の支払いはすべて片方の収入から出し、もう片方の収入は貯蓄に回すという方法です。この場合にやってはいけないのが、貯蓄にお金を回した人が後々になって自分のお金だから全て自分のものと主張することです。

面倒でも家計用・貯蓄用それぞれの共同口座を作って管理しておけば、夫婦のお金であると意識しやすくなるでしょう。

急な出費に弱いのが夫婦別財布

夫婦別財布はイレギュラーな出費に弱いという特徴があります。たとえば冠婚葬祭にまつわる出費や家の修繕費などです。

いつ起こるかわからない出費に備え、あらかじめ対応策を決めておくと安心です。共同口座を作っている場合は、急な出費用として前もってお金を準備しておくのもよいでしょう。

お金の流れを記録してお互いから見えるように

家計のお金の流れを記録して、お互いがいつでも自由に見られるようにしておきましょう。こまめに家計簿をつけ、共同口座の通帳やクレジットカードなどの明細をシェアしておくとお金の流れを把握できます。

今は、ネットで銀行の入出金明細やクレジットカード支払明細が照会できることが多いため、お互いアクセスできるようにしておくと便利です。多くの銀行が明細や支払い、振り込みなどができるアプリを出しているので、スマートフォンにインストールしておくとさらに便利。

お金管理専用のWebサービスやアプリは、レシートの撮影で現金支出を管理できるほか、銀行口座やクレジットカード、電子マネーと紐付けておけば、自動的に家計簿を作成してくれます。なかには、前月前年比の表示や節約できそうな項目のアドバイスをしてくれる機能がついているので、家庭に合ったものを見つけて活用しましょう。