日頃、馴染みのある食べ物も、盛り付けや作り方など見た目の美しさや驚きで、食べる時間が楽しくなることがあります。今回は、SNSでユニークなおにぎりが人気の「おにぎり劇場」さんをご紹介!おにぎりで作りあげる動物やアニメのキャラクター、歴史上の人物が「リアルすぎる!」と人気を集めています。

ユニークなおにぎりの誕生秘話、見て楽しく、食べておいしいおにぎりを作るポイントなどを教えてもらいました。

 

息子さんへのキャラ弁からはじまったおにぎり劇場

一児の母である「おにぎり劇場」さん。年に数回ある遠足の際に、息子さんが好きなキャラクターなどをキャラ弁として作ったのがはじまりなのだとか。

「新幹線のドクターイエローや『ヱヴァンゲリオン』の使徒、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』などを平面や半立体で表現したお弁当を作りました。そうしたら息子の友達に好評で、先生たちも集まってきて写真タイムになるというのが毎度の光景だったようです。息子は得意げになっていたのかなと想像しています」。

 

作って鑑賞後はすぐ食べる。儚いアート

とろろ昆布の髪の毛、ケチャップライスの肌、カニカマの襟とタイ、海苔のスーツが肖像画から出てきたかのようにリアルなベートーヴェン

現在はおにぎりでさまざまなものを表現している「おにぎり劇場」さん。このおにぎり作品は、完成して鑑賞したらあっという間に食べられてしまうので、“儚いアート”なのだと言います。

「おにぎりの固定概念を壊してさまざまなかたちを作ることにチャレンジしています。崩れやすい素材を使いどんな表現ができるのか、やってみなければわからないのでいろいろなモチーフに挑戦しています。想像していたものと違う形に仕上がることがほとんどなのですが、それでもおにぎり劇場を観てくださった方から温かい応援のメッセージをいただくと本当にうれしく励みになっています。

作品は完成後すぐに自分で食べます。いまはお弁当にいれることは想定していません。完成したタイミングで腹ペコの家族が居合わせたら食べられてしまいますが、あっという間に作品がその場からなくなってしまう儚いアートなんです」。

 

制作過程を動画に撮り、記録していますが、実物はすぐになくなってしまう。そんな儚さも「おにぎり劇場」の魅力なのかもしれません。

大葉とカニカマで織田信長の着物を表現

食べることを前提に作られているので、素材はすべて安心して口にできるものを使用。きゅうりの皮と内側の質感の違いで表情を表現した河童、大葉の色と肩衣の色がぴったりリンクした織田信長、ケチャップライス&とろろ昆布&カニカマで作られたベートーヴェン…。この作品は何で作られているのかな?どんな味がするのかな?と見ているとワクワクしてきます。しかも、表面だけでなく、中にも具材がしっかり入っているのだとか。

「具を入れることで隙間ができたり具の水分が滲みだしたりするので、強度が落ち崩れやすくなり難易度も高まります。しかし、“おにぎり”といえば中の具も楽しみのひとつ。具に辿り着いたときの幸福感も味わいたいので、可能な限り具を入れています。具材は“ごはんと一緒に食べておいしいもの”の中から作りやすさなどを考慮し選んでいますね。使う具材が多くなると、ユニークなお味になるものもありますが、それも含め楽しんでいます」。

いろいろな組み合わせで作ってきた中で、すべての材料が一番しっくりきておいしかったのは「花火おにぎり」なのだそう。

「中身の具はツナマヨ、表面にハム、卵、レタス。形も食べやすい円盤型で家族にも大好評でした!」。

きゅうりだけで表現した河童。ぬめっとした質感がリアル!

河童、織田信長、ベートーヴェンに『鬼滅の刃』のキャラクター、動物…など、作るモチーフのセレクトもおもしろいですが、モチーフをどのように選んでいるのか気になるところ。

「何よりも、ごはんと具材で再現できそうな色と形を持ち合わせているモチーフから選ぶようにしています。季節柄のものや流行りの中から探してみることも。インパクトがあるものやかわいさのあるものが好きなので、そういう系統も多いかもしれないです」。

作った作品は、作り方のプロセスをYouTubeで公開しているので、気になる作品があったらおうちで真似してみても◎。

作るときのコツは、「顔があるものは、目、鼻、口の位置と大きさのバランスを押さえるとうまくいくと思います。普段握るおにぎりよりも少し強めに握ると崩れにくくなります」とアドバイスしてくれました。ぜひ、挑戦してみてくださいね!

 

おにぎり劇場にリサとガスパールが登場!

そして、今回は特別に我らがリサとガスパールのおにぎりを作ってもらいました!

「こだわったポイントは、頭だけではなく上半身を作ることです。体よりも大きい頭を安定させることと細長い耳のパーツを立たせることにかなり苦戦しました。途中で何度も崩壊して諦めかけましたが、なんとか表現したいと思い試行錯誤を重ね、がっちり固定させることができました。今回の学びのおかげでこれからの制作の幅が広がりそうです。何気にそっと手を繋いでいるところが萌えポイントです」。

 

カニカマで作られたトレードマークのマフラーがおしゃれなリサと、海苔ボディにブルーハワイで着色したハムのマフラーが巻かれたガスパール。ふたりの仲の良さとかわいさがしっかり表現されていますね!

身近な食材を使い“おにぎり”を通してさまざまな表現に挑戦している「おにぎり劇場」さん。食べるとなくなってしまうけれど、おいしく楽しい記憶に残るのが魅力だと思います。作って楽しい、食べて楽しいおにぎり作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

■協力
おにぎり劇場

 

提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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