女性管理職の割合が増えない3つの理由
女性管理職の割合は少しづつ増えていますが、国が目標としている30%にはまだ遠い状況です。
ダイバーシティに取り組む会社も増えているのに、女性管理職がそれほど増えない理由を解説します。
1.管理職へのネガティブなイメージ
理由のひとつとして、「管理職はハードワーク」というネガティブなイメージがあげられます。
管理職になると長時間労働をしなければいけないというイメージや、肉体的にも精神的にもキツイというイメージから、そもそも管理職を目指さない女性が多いのも現状です。
管理職になることで得られる裁量権や、意思決定、やりがいなどのポジティブなイメージが知られていないのも今後の課題のひとつかもしれません。
2.ライフスタイルの変化
経済的に安定している女性や、趣味など自分の時間を大事にしている女性であれば、プライベートの時間を重視するライフスタイルを選択することも多くなっています。
このようなライフスタイルを望む女性にとっては、ハードワークでプライベートな時間が少ないイメージの管理職は、敬遠してしまうかもしれません。
身近に女性管理職が少ないので、管理職になったときのライフスタイルをイメージしずらいことも理由としてあげられるでしょう。
3.古い企業体質
残業することが美徳とされているような古い体質の企業では、女性が管理職になるのは難しく、能力が高くても退職を余儀なくされる場合があります。
女性は出産や子育てなどによって、残業ができない場合や時短勤務、急な早退が必要になるケースが発生します。
古い体質の企業では、ライフスタイルによって働き方が変わる可能性がある女性を、管理職に登用しない傾向があるのです。
また、取引先を含む社内外でのセクハラや、「女性は数字が苦手」という思い込みなどが原因で、キャリアを捨てて退職してしまうケースも考えられます。
女性管理職の割合が高い企業の見分け方
女性管理職の割合が高い企業を見分ける場合、以下の3つを参考にするとよいでしょう。
- 女性活躍推進企業認定「えるぼし」
- えるぼし認定企業数
- 女性の活躍推進企業データベース
ここで紹介する内容を参考に、自分の理想とする企業を探してください。
1.女性活躍推進企業認定「えるぼし」
「えるぼし」とは、女性の活躍を促進するための取り組みを行い、その状況が優良な企業を認定する制度のことで、法律に基づいた基準を満たしている項目数によって3段階に分けられます。
この基準の中には管理職比率の項目があるため、えるぼし認定を受けている企業は女性管理職の割合が高いと言えるでしょう。
■ えるぼしの認定基準
えるぼしの認定基準は、採用されてから仕事をしていく上で、女性が能力を発揮しやすい職場環境であるかという観点から、以下の評価項目を定めています。
【えるぼし認定評価項目】
1.採用
2.継続就業
3.労働時間等の働き方
4.管理職比率
5.多様なキャリアコース
項目の中に管理職比率も入っているので、えるぼし認定された企業では女性管理職の割合が高いと判断できるでしょう。
2.職場情報総合サイト「しょくばらぼ」
厚生労働省が開設している、職場情報総合サイト「しょくばらぼ」でも女性管理職の割合が高い企業を探すことができます。
「しょくばらぼ」は、各企業の働き方や採用状況に関する職場情報を検索、比較できるサイトです。
サイトに掲載されている職場情報には、女性管理職の割合など女性の活躍に関する情報も開示されていて、簡単に検索することができます。
掲載されている職場情報は他にも、企業の基本情報や育児仕事の両立に関する情報、働き方に関する情報など多くあります。
「しょくばらぼ」に情報を開示している企業は、職場環境の改善に積極的な企業ともいえるでしょう。
出典:厚生労働省|職場情報総合サイトしょくばらぼ
3.女性の活躍推進企業データベース
「女性の活躍推進データベース」は5,000社以上が登録されている、厚生省が作ったデータベースです。
「女性の活躍推進データベース」は女性採用比率や女性管理職比率、男女の平均勤続年数の差などを確かめることができ、女性管理職の割合が高い企業を見分けるのに適しているでしょう。
また、厚生労働省では301人以上を雇用する企業に対し、「女性の活躍推進データベース」に最低1項目以上の公開をするよう義務付けています。
公開項目数は企業によって異なるため、積極的に情報公開をしているかも、企業の姿勢を知る手掛かりになりそうです。
気になる方は「女性の活躍推進データベース」で検索してみて下さいね。
出典:厚生労働省|女性の活躍推進企業データベース