- しくみと働き - 耳介が優れた「集音器」の役割を発揮

猫の耳のしくみで、まず人と違っているのは「耳介」です。猫の耳介はたくさんの筋肉からなり、あらゆる方向に片耳ずつ自在に動かすことができます。効率のよい「集音器」の役割をしているのです。
耳介で拾われた音は鼓膜を振動させ、その振動が中耳内の耳小骨を伝わって、内耳へ。内耳の蝸牛の中には音を感じ取る細胞があり、聴覚情報を聴神経を通じて脳へと伝えます。ちなみに、平衡感覚を保つ機能は、内耳の前庭と半規管が担っていますが、猫はこの部分が発達しており、バツグンのバランス感覚を発揮します。

- 病気 - 「外耳炎」を招きやすいL字型の耳道

猫の耳はココがすごい!【猫のからだセミナー 耳編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

春から夏にかけての季節、耳のトラブルとして注意したいのが「外耳炎」です。原因は、耳ダニや真菌(カビ)、細菌、アレルギーなど様々ですが、ひどいかゆみ、耳垢、耳がにおうなどの症状が出ます。
猫の耳は、人と違って外耳道がL字型に折れ曲がっており、途中から横方向に進んでいきます(水平耳道)。この部分は汚れがたまりやすく、また通気が悪いので細菌や真菌の増殖を招きやすいようです。異常に気づいたら、すぐに動物病院へ。

猫の耳はココがすごい!【猫のからだセミナー 耳編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

なお、日頃のお手入れは、耳介を脱脂綿で優しく拭ったり、イヤーローションを耳に垂らしてクチュクチュともむ程度で。綿棒を使うと、外耳道を傷つけたり、汚れが奥に押し込んでしまいかねないので、やめておきましょう。

- すごい!その1 - 人よりずっと高周波数の音が聞き取れる!

猫の耳はココがすごい!【猫のからだセミナー 耳編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

耳が音として感じ取れる周波数帯域のことを「可聴域」といいますが、人の可聴域は20Hz(ヘルツ)~20000Hz。猫は20hz~60000Hz(最大10万Hzとも)とされ、犬笛に反応する犬よりもさらに高い音が聞き取れます。
これは獲物であるネズミなどのげっ歯類が高音で鳴くためとも言われています。

- すごい!その2 - 音源の方向聞き分け誤差は人の9分の1!

猫の耳はココがすごい!【猫のからだセミナー 耳編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

音のする位置をどれだけ正確に聞き分けられるかという能力についても、猫の圧勝!
人が音の方向を感じるとき、4.5度の誤差が生じるのに対し、猫の場合は0.5度なのだとか。