見た目の印象を大きく左右する髪の「分け目」。印象アップのためには、分け目をふんわりと仕上げて頭のシルエットをひし形にさせるのがおすすめというお話をしました。
今回は、ペタンコになりがちな分け目を、ふんわりと見せるためのスタイリング方法をご紹介します。
◆スタイリグは“前夜の仕込み”が重要
スタイリング方法というと「朝に鏡の前で何かするのか」と思われると思いますが、まず前夜の仕込みが重要です。
具体的には、お風呂上りに髪を乾かすときです。髪は、乾いていくときに形状が定まっていく性質があります。そのため、夜に間違えた方法で乾かしてしまったあと、翌朝にスタイリングしようとしてもなかなか思い通りにならないのです。
頭頂部の髪を乾かすとき、まず髪を持ち上げて毛流れと逆方向に流し、根元から乾かしていきます。そして、ある程度乾いたら元の毛流れに戻し、上から風をあてて仕上げていくとふんわり&ツヤツヤになります。余計な髪の生え癖がとれて、スタイリングしやすい状態とも言えます。
◆朝は温風→冷風でスタイリング
この前夜の努力があった上で、朝のスタイリングです。もう一度、頭頂部の髪を持ち上げて、髪が毛流れと反対方向に向くように、根元から温風をあてます。
その後、同じ箇所に冷風を4~5秒あててから、髪を元の毛流れに戻し(フワッと置くイメージ)、全体のスタイルを整えます。髪の根元が毛流れと反対方向に立ち上がるので、ボリュームが出やすくなるはずです。これは、温度が上がった後、下がるときに形状が保持されるという髪の性質を利用しています。
これでもペタンコになってしまう場合は、分け目を一直線にするのではなく、ジグザグに分けて、どこに分け目があるのか分からない状態にするのもオススメです。ショートヘア、ボブ、ミディアムヘアくらいの方はぜひ実践してみてください。
セミロング、ロングヘアの場合は髪自体の重さがあるため、そこまでふんわり感をキープできません。加齢に応じて髪が細くなってきたり、量が減ってきたりして分け目が気になる場合には、ロングヘアを短くして、分け目のふんわり感を出しやすくするのも手です。
◆アホ毛はじっくり育ててあげて
最後に、分け目の「アホ毛」問題について。ぴょんぴょんと生える浮き毛のことです。これに限ってウネウネしたりしていて、本当に厄介ですよね。よく、アホ毛を抜いてしまう方がいますが、できればやめてあげてください。頭頂部の薄毛を招く可能性もありますし、再度同じ毛根から新しい髪が生えてきたとき、短いうちはまたアホ毛になりやすいからです。
アホ毛は、生まれたての新生毛か、切れてしまった髪。短いから立ちあがっているわけですので、しっかり育てて伸ばしてあげて、自然に寝るようになるまで待つのがベスト。
伸びるまでは、スタイリング剤を使って寝かせましょう。オススメは、細かいコームにスプレーをふきかけ、その面でアホ毛を撫でつける方法です。この時、もともとの分け目がペタンコだったり、ピチッとタイトにスタイリングされていると、どうしても馴染みづらいので、ふんわり仕上げておくのもポイントです。
産後に髪が抜けたあと、一気に生えてきたときも生え際が同じような状態になると思います。筆者も経験しましたが、この場合は短い毛の量が多いので、スタイリングで何とかする、というのは残念ながら難しかったです。
自分の赤ん坊と一緒に、自分の新生毛も愛でて育てるくらいの気持ちで付き合うのが、個人的には良いと思います。
<文/毛髪診断士 元井里奈>
【元井里奈】
東栄新薬株式会社/取締役。毛髪診断士®/サプリメントアドバイザー/メノポーズ(更年期)カウンセラー。慶應義塾大学卒。髪に悩む女性のためのサプリメント「美ルート」をプロデュース。毛髪、栄養学、女性ホルモンに関する専門知識をもとに、ヘアケアコラムの監修や執筆も行う。2児を育てるワーママでもある。Instagram:@rinam.0922、Twitter:@rinamotoi、ブログ「ワーママ毛髪診断士が教える、35歳から始める育毛・美髪ケア」