「大日如来」は全ての仏様のトップに位置します。だから、ご利益もオールマイティ!ご利益をもらう方法の一つに真言(マントラ)を唱える方法があります。大日如来の「光明真言」を唱えてそのご利益にあやかってみませんか。より親しみ、最強パワーを十分にもらえるように、意味や効果、唱え方を紹介します!
大日如来とは?
(1)「大日如来」は、あらゆる仏様、全ての仏様の頂点に立つ仏様!
「大日如来」は、約1300年前、インドで誕生した「密教」で、最上位にいる仏様です。日本では、平安時代に空海(くうかい)や最澄(さいちょう)によって広がりました。大日は「大いなる日輪」、すなわち「太陽」です。全ての命の起源が太陽であるように、全ての仏様の起源は大日如来なのです。
つまり、大日如来は宇宙そのものであり、なじみの深い阿弥陀如来も薬師如来も全ての仏様は、大日如来が姿をかえた仏様です。大日如来の存在があって、ほかの仏様も存在するのです。
そして、大日如来は、「金剛界大日如来(こんごうかいだいにちにょらい)」と「胎蔵界大日如来(たいぞうかいだいにちにょらい)」の二人おり、役割が二つにわかれていますが、ペアになって全宇宙を表す一人の存在となります。
(2)知恵の象徴【金剛界大日如来】
「金剛界(こんごうかい)大日如来」は、智恵の役割です。ダイヤモンドの日本語が「金剛石」です。ダイヤモンドは自然界で最も堅い物質ですのでめったな事で傷がつきません。大日如来の智恵は、その強固なダイヤモンドのように傷つかないという意味となります。
(3)慈悲の象徴【胎蔵界大日如来】
「胎蔵界(たいぞうかい)対日如来」は、慈悲の役割です。「胎蔵」は、全ての命ある生き物が、誕生する前に母の子宮に包まれ守られていた胎児のごとく、大日如来に優しく包まれているということを意味しています。
(4)大日如来は、全てに通じるからご利益もオールマイティー!
「金剛界大日如来」と「胎蔵界大日如来」の2人が対となり一つの全世界を表しています。その世界を言葉で説明するのが難しいので、わかりやすく絵で描いたものを「金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)」と「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)」と言い、ペアで「両界曼荼羅(りょうかいまんだら)」と言います。
それぞれの仏様ごとに「愛」「お金」「仕事」「人間関係」「健康」のご利益担当がわかれていますが、全ての起源である「大日如来」は、この5つの運気全てに通じています。ご利益をいただく方法として、「手印」を結ぶ、「梵字」をなぞる、「真言(マントラ)」を唱えるがあります。
大日如来の真言、手印、梵字
(1)真言(マントラ)とは、仏様からご利益を頂くためのありがたい言葉
マントラとは、「文字」「言葉」を意味するサンスクリット語です。密教では、「真言」と漢訳され、仏様に対する賛歌や祈りを象徴的に表現した短い言葉を差します。
(2)大日如来の真言(マントラ)は、『光明真言(こうみょうしんごん)』
大日如来の真言は、「光明真言(こうみょうしんごん)」と呼ばれています。23の梵字と休止符をあらわす「ウン」をたして、合計24の梵字で成り立ちます。真言宗(智山派除く)では「オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン」と唱えます。
真言宗智山派、天台宗では唱え方が少し異なります。真言宗智山派の場合は「オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラハリタヤ ウン」、天台宗の場合は「オン アボキヤ ビロシャナ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン」です。
意味合いとして「オーン 不空なる御方よ 大日如来よ 偉大なる印を有する御方よ 宝珠よ 蓮華よ 光偉大なる印を有する御方よ 宝珠よ 蓮華よ 光明を 放ち給え フーン」(ウィキペディアより)となります。
(3)金剛界大日如来、胎蔵界大日如来の真言もあります
金剛界大日如来と胎蔵界大日如来、各々の真言もあります。金剛界大日如来は「オン バザラダト バン」、胎蔵界大日如来は「オン ア ビ ラ ウン ケン」です。
(4)大日如来の手印
仏・菩薩・諸尊の悟りを、手の指を用いて形に表したものを「印相(いんそう)」と言います。「金剛界大日如来」の印相は、左手の人差し指を立て、その人差し指を右手で包みこむ智拳印の形をしています。
「金剛界大日如来」の印相は、左手の人差し指を立て、その人差し指を右手で包みこむ智拳印の形、「胎蔵界大日如来」の印相は、腹の前で両手の全指を伸ばして組み合わせる形になっています。「手印(しゅいん)」とは、両手で結ぶ印相です。大手印については下記にご紹介する書籍もぜひ参考になさってくださいね。
(3)大日如来の梵字
「梵字(ぼんじ)」の「梵」とは、梵天(ぼんてん)を示しています。梵天は、宇宙の最高原理ブラフマンを人格化した神です。サンスクリット語は梵天によって作られたという伝承があり、サンスクリット語を梵語とも呼びます。その梵語を書き記す文字が梵字です。
日本で梵字と呼ばれているものは、インドで6世紀頃に使われていた「悉曇文字(しったんもじ)」のことを主に指します。梵字には神聖な力が宿っており、神仏そのものとみなします。身に付けていればお守りの役目にもなり、様々な功徳を与え、災難から救ってくれるパワーを持っていると言われています。
梵字を自らの手でしたためたり、指でなぞることでもご利益をもらえますが、梵字の取り扱いには注意が必要です。梵字は、仏様そのものを現わす神聖なものです。したためたりする際、たとえ書き損じた場合でも粗末に扱うのはやめましょう。すでに神様・仏様を宿しているのと同じなので大切に扱ってください。