二年参りってご存知ですか?新潟の方言とも言われていますが、知らない人の方が多いのではないでしょうか。「二年参りとは何か」「どんなものなのか」といったことについてご紹介していきますので、知らなかった!という人はぜひ読んでみてください。
二年参りとは?
2年参りとは「初詣」のこと
2年参りとは、初詣のことを言います。ではなぜ初詣のことを「二年参り」というのかと言うと、昔は初詣に行くのは「大晦日の夜」というのが普通だったのです。そのため、ゆく年くる年の2つの年にわたってお参りすることから「二年参り」という名前が付けられました。
具体的な時間は決められていないため、大晦日の夜から年明けにわたるようにお参りに行きます。また、大晦日にお参りに行き帰宅し、年が明けてから再度お参りに行くといった所もあるようです。さらにこの「二年参り」ですが、2つの年にわたってお参りをすることで、よりたくさんの徳を得ることができるとも言われています。
限られた地域で使われる「方言」とも言えるもの
二年参りは方言とも言えるもので、日本の中でも一部の地域でのみ使われる呼び方です。特に、北海道、長野、新潟、福島、群馬、島根といったエリアでは一般的です。「二年参りとは方言なのか?」とよく言われますが、方言の定義である「ある地域だけで使われる語」ということを考えると、方言と捉えることもできるでしょう。
こうして考えると割と広い地域で使われているようですが、呼び方に馴染みのない人からすると不思議に思う言葉ということになるでしょう。
また一説には、もともと「二年参り」は日本全国にあった風習とも言われています。それが長い年月の間にどんどん廃れていってしまい、今では限られた地域でしか残っていないのです。もしあなたが「二年参り」という言葉を知らなくても、「年配の人に聞いてみたら知っていた」ということもあることでしょう。
二年参りと初詣の違いは?
二年参りとは「年越し前」に神社に行くこと
分かりづらいですが、厳密には二年参りと初詣は違うものなのです。二年参りとは、年を越す前、大晦日の夜に既に神社に行っていることを言います。そして年が明けてから、元旦やその日以降にお参りに行くことを「初詣」と言います。
方言と同じように地域によって様々
最初に「二年参りには、大晦日にお参りに行き帰宅し、年が明けてから再度お参りに行くといった所もある」とご紹介しました。このように、実は二年参りは地域によって細かい部分での捉え方が違っているのです。
といっても方言と同じようなもので使い方が違うだけなので、基本的には「お参りに出かけて帰ってくるまでに年を越すこと」を二年参りだと考えておけばいいでしょう。
また、二年参りのことを「年越し参り」と呼んでいる地域もあります。この場合は二年参りと全く同じ意味合いなので、もし何かの機会に耳にすることがあれば二年参りのことだと思えば大丈夫です。
二年参りの作法は?
二年参りの作法①お祝いの場にふさわしい恰好で行く
二年参りの作法その1は、「お祝いの場にふさわしい恰好で行く」です。二年参りの作法とは?と聞くと堅苦しく思われがちですが、普段神社を参拝する時と同じような格好でかまいません。ただし、二年参りとは「新しい年を迎え、神様に挨拶する場」でもあります。それにふさわしい恰好を意識していくといいでしょう。
二年参りの作法②おみくじを引くのは1回だけ
二年参りの作法その2は、「おみくじを引くのは1回だけ」です。おみくじとは本来、神様の意志を受け止めるものです。そのため引くのは1回だけであり、何度も引いてしまうことは意味がありません。