「舐める」しぐさで、気持ちがわかる

不安や緊張を和らげるカーミングシグナル

猫の「舌」は人とどう違うの?【猫のからだセミナー舌編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

猫が不安や緊張する場面で、口まわりをペロペロ舐めたり、毛づくろいをする姿を見たことはありませんか?これは、猫が不安や恐怖を感じたときに、自分を落ち着かせるためや、相手に敵意がないことを知らせ、威嚇を和らげるために行うしぐさで、「カーミングシグナル」と呼ばれています。カーミングシグナルには様々な種類があり、猫がリラックスしようとして、のどをゴロゴロ鳴らすのもその一つ。

絆を深め合うために

一緒に暮らしている猫同士で、お互いに毛づくろいし合うこともよくあります。猫は、毛づくろいや体をすりつけて自分と相手のにおいを混ぜることにより、絆を深めているのです。猫が飼い主さんの顔や手をペロペロと舐めるのも、同じ理由から。飼い主さんを仲間と認める愛情表現といえるでしょう。

皮膚トラブルの可能性も

また、猫が体の一部をしつこく舐める場合は、皮膚にトラブルを抱えている可能性もあります。猫に比較的よく見られるのが「好酸球性肉芽腫症候群」と総称されるもの。

唇などに発生する「無痛性潰瘍」、首や腹部の皮膚に平坦な盛り上がりが見られる「好酸球性プラーク」、後ろ足の後面などに線状に盛り上がった腫れが見られる「線状肉芽腫」の3種類があります。原因ははっきりしませんが、アレルギーとの関連が疑われています。

舌の病気と健康管理

猫の「舌」は人とどう違うの?【猫のからだセミナー舌編】
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

通常、健康な猫の舌はピンク色ですが、赤く腫れて、ただれたり出血している場合は、口内炎や口内潰瘍、口腔がんの可能性も。猫の口内炎はウイルス感染が原因のことも多いので、ワクチン接種を受けるようにしましょう。

舌が白っぽくなっていれば、貧血や栄養不良かもしれません。

舌に黒い斑点が見られることもあります。もともと舌斑と呼ばれる黒い斑点をもつ猫もいますし、皮膚と同様、舌にもシミやホクロができます。通常のホクロなら心配はいりませんが、ホクロが急激に大きくなったり、硬く隆起してきたりすると、メラノーマ(悪性黒色腫)の疑いも。まれな病気ですが、非常に悪性度が高いので、注意してください。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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