◆“理想の夫像”の前提にあるネガティブな側面

 ryuchellに対するこれまでの世間の反応について、Kotetsuさんはこのように語ります。

「ryuchellさんは自分がしたいと思っていることをやって発信していただけの話ですが、それを“理想の夫”とひとまとめにされることで、世間がイメージする理想の夫像がネガティブな側面も含めてすべて集約されてしまった気がします。

 メディア側は丁寧に説明しなければなりません。ですが、読まれやすい記事を優先するために『夫』『男性』などとわかりやすい言葉を使い、本人の認識ではない側面が広まるのかなと。メディアの力によって、有毒なイメージが再生産されてしまったことが1つの要因として考えられます」

 あるメディアではryuchellが家事や育児を積極的に行っていることに対して賞賛する記事が掲載されていました。このことは世間のもつ男性へのイメージ、つまり「男は働いて家族を養う」のような考えが前提にあり、本来多様であるべき「男性」という存在が、一つのあり方としてまとめられる懸念があるのです。