4.猫の歯のトラブルとは?

猫の歯のトラブルには、主に次の3つがあります。

・歯周病
・歯頚部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうしょう)
・破折(はせつ)

歯周病

歯周病は、歯垢や歯石が原因で歯の周辺組織に起こる炎症で、口臭、歯肉の腫れや出血などが見られます。
成猫の8割がかかっているともいわれるほど、多い病気です。猫の場合、歯垢は3から5日で歯石化するといわれ、予防のためには、できれば毎日、少なくとも2日に1度の歯みがきが望まれます。

歯頚部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうしょう)

歯頚部吸収病巣は、歯が根本から次第に溶けてあごの骨に吸収されてしまう猫特有の病気です。
溶けるに従って痛みが激しくなりますが、予防法や進行を止める方法はありません。対症療法と、ひどくなれば抜歯を行います。

猫の歯が生え変わるタイミングと歯の役割
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

※「歯周病」と「歯頚部吸収病巣」について詳しくは、症状から見つける猫の病気「よだれや口臭がひどい」をご覧ください。

破折(はせつ)

歯が折れたり欠けたりした状態を破折、歯がすり減った状態を咬耗(こうもう)といいます。
硬いものを噛むのが好きな犬とは違い、猫ではそれほど多くありません。ただし、事故やケンカによって、犬歯を折るケースや、歯頚部吸収病巣にかかっている場合は、歯の付け根部分が溶けて、そこからポキッと折れてしまうことがあります。
損傷によって歯髄が露出すると、痛みを感じたり、細菌感染を起こしたりするので、早急な治療が必要です。損傷が軽ければ、歯の欠損部分を樹脂で充填するなどの修復ができますが、損傷がひどければ抜歯が必要になることもあります。

5.歯周病を予防する歯みがき方法

歯みがきは、子猫のときから慣れさせて習慣にしましょう。
いきなり歯ブラシによるケアは難しいので、下記の手順で少しずつステップアップを。
慣れるまでは、猫が嫌がったらすぐにやめる、終わったらごほうびを与えるなど、愛猫と飼い主さんとの楽しいコミュニケーションタイムとして取り組んでください。

1)口の周りを触ることから始めて、時々歯を触るなどして徐々に口の中を触られることに慣れさせる。
2)指に巻いて使う歯みがきシート(ガーゼでもよい)で歯をこすってみる。
3)歯ブラシに猫の好物の肉汁などをつけて、においをかがせたりなめさせてみる。嫌がらなければ口の中へ。
4)慣れてきたら歯磨きペーストをつけて。
5)45度の角度で歯の付け根に歯ブラシを当て、左右に細かく動かしてブラッシング(1本から始めて徐々に増やしていく)。
6)ブラッシングの時間を少しずつ延ばして、奥歯や歯の裏側もみがいてみる。

6.まとめ

猫に歯みがきとは、あまり印象がないかもしれません。ですが、歯周病は成猫の8割がかかっているともなると、予防のために歯みがきは習慣化していきたいものです。歯みがきが難しい場合はデンタルケア用のおやつが販売されているので活用してみましょう。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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