美と健康のためと思って実践している美容法が、かえって体の負担になっているかもしれません。そこで、女性のための総合クリニック・イーク表参道の副院長で、産婦人科医の高尾美穂先生に定番の美容法を医学の視点から◯×判定してもらいました。
高尾先生の最新著書『オトナ女子をラクにする心とからだの本』では、女性ホルモンに関する疑問や、心をラクにする気持ちの切り替え方、女性特有の症状の詳しい解説などを掲載し話題になっています。
◆1.1日2ℓを目標にたくさん水を飲んで、代謝をあげる
× 飲みすぎはNG 1日に飲む水分の目安は、「体重×30ml」
私たちの体内を巡る水は、おおよそ2.5ℓ。食べ物から吸収できる水分は、1ℓくらいですから、残りは水などの飲み物で摂取する必要があります。
仮に体重が50kgなら1.5ℓ飲むのがベスト。一度に吸収できるのは、コップ1杯ほどなので、こまめに飲むようにしましょう。
飲む量よりも気をつけてほしいのが、飲み物です。果糖ブドウ糖液糖のような人工的な甘味料が含まれる清涼飲料水は、ついつい飲みすぎてしまう依存性や体脂肪になりやすい性質を持っています。ヘルシーそうに見える野菜ジュースにも含まれているので要注意です。
◆2.糖質オフや断食ダイエットで効率よく短期間で痩せる
△ 極端なダイエットは女性ホルモンの分泌を乱し、無月経の原因にもなります
夜のご飯を半分に減らす程度の糖質オフや、胃腸を休ませる意味で1食抜いたりする「プチ断食」であれば、さほど問題はありません。
腹七〜八分目にとどめ、適切なタイミングでバランスのよい食事をとることは、体内時計を整え、女性ホルモンのリズムを安定させる働きがあります。極端なダイエットは女性ホルモンの分泌を乱し、無月経の原因にもなります女性にはおすすめできません。
それよりも、甘いものを食べすぎていないか、まずは食習慣から見直して、少しずつ痩せやすい体へと整えていきましょう。
◆3.半身浴と全身浴、結局どっちが体にいいの?
○ どちらもおすすめ! 目的と体質で選ぶのが◎
体をじっくり温めたい、汗をかきにくい人には半身浴。早く温まりたい、皮膚が弱い人には全身浴がおすすめです。
特に、皮膚が弱い人は長風呂により皮脂が奪われて乾燥しやすくなるので、全身浴でサッと入る方がいいでしょう。それぞれのメリットを押さえて、最適な入浴法を実践してみてくださいね。
【高尾美穂】
医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者。イーク表参道・副院長として婦人外来に携わる傍ら、スポーツ庁国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトのメンバーとして女性アスリートをサポートし、ヨガのイベントや指導を行うなど、活動は多岐にわたる。著書に『生理周期に合わせてやせる! 超効率的フェムテックダイエット』(池田書店)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社刊)など多数。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
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