夏の疲れがたまるこの時期、無理なダイエットは身体に負担をかけてしまいます。今回は、漢方の考え方をベースにした健康的なダイエット方法について、「わたし漢方」代表薬剤師の水沼さんにお伺いしました。

漢方薬はダイエットに効果が期待できる?

――漢方薬はダイエット効果が期待できると聞きますが、本当ですか?

「本当です。太り方は人によって違いがあります。全身、お腹周り、下半身など体型も違いますし、太りやすくなっている原因も体質によってさまざまです。

漢方の考え方では一人ひとりに合った漢方薬を選ぶことで、より効率的に身体の巡りを整え、代謝を高めることができます」

――ダイエット効果が期待できる漢方薬の飲み方や、気をつけるべきことはありますか?

「あります。ダイエットだけではないですが、漢方薬を飲む際は何を飲むかを十分気をつけていただきたいですね。

怖いのが、自己判断で体質に合わないものを選ぶと、かえって逆効果になることです。

例えば、ダイエットに効果のある漢方として防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が有名ですよね」

――防風通聖散。聞いたことがあります!

「市販でも手に入りやすく有名なので、多くの方々がダイエット目的で試したことがあるかもしれません。

でも、防風通聖散はかなり実証向きの漢方です。実証というのは、簡単に言うと身体が強くがっちりした(質実剛健)体型の方を指します。

そのような体質の方の中でも特に、油分などの食べ過ぎや便秘が重なり、体内に熱がこもっている方の熱を便とともにじゃーっと出すことで効果を発揮します。

ここで、体質が合わない方が飲んでしまうと、きつい下痢に悩むことになるなど、副作用に苦しむことになります。また、必要以上に熱を発散しすぎて身体を冷やしてしまったりと、ダイエットに逆効果になることもあるのです」

体質に合わせた漢方薬とは?

――体質に合わせた漢方薬とは、一体どういったものがあるのでしょうか?

「冷えがちだったり、むくみがちだったり、貧血気味だったりと人によって体質は異なっています。

今回は、痩せにくくなっている原因と考えられる体質とその特徴・アプローチ法をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください」

ストレス太りの方【気滞(きたい)タイプ】

ストレスが多く、体重の増減が激しいタイプの方は漢方の理論でいう、”気滞太り”タイプかもしれません。

気の巡りを良くする漢方で、ストレスで落ちていた新陳代謝を回復させるとともに、食べ過ぎなども防止していくことで太りにくい身体づくりをしていきます。

漢方薬では、柴胡(さいこ)など、気を巡らせていく生薬を含んだものを選びます」

水たまり太り【水滞(すいたい)タイプ】

冷えたりむくみがちな方は、水分代謝が落ちて体内に水がたまる、水滞太りタイプかもしれません。

冷えている=代謝が悪いということなので、温める方向で漢方を用います。併せて水分代謝をUPすることで、体内に停滞している水を外に流して、痩せやすい身体をつくります。

水を流すために、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)などが入った漢方薬を選びます。冷え方によって温めるための生薬も変わってきますので、体質によって選ぶことになります」

血液ドロドロ太り【瘀血(おけつ)タイプ】

吹き出物が出たり、肩こり・生理痛が辛い方は、血行が悪くなり新陳代謝が落ちている瘀血太りタイプの可能性があります。

血の巡りが滞り、老廃物を身体に貯めこんでいる状態なので、まずは溜まったものを外に出し、脂肪として貯めこまない身体づくりが必要です。

血の巡りを良くして新陳代謝を活発にするために、桃仁(とうにん)や牡丹皮(ぼたんぴ)などが入っている漢方を選びます」

痩せやすい身体づくりを漢方で。知るとトクする「体質別アプローチ」
(画像=『DRESS』より引用)

小食なのになぜか太る【気虚(ききょ)タイプ】

あまり食べないのに太ったり、疲れやすかったりする方は気虚太りタイプかもしれません。

代謝や栄養をしっかり吸収・代謝・排泄するためにはエネルギーが必要です。そうした新陳代謝をうまくまわしていくためのエネルギー(漢方理論でいう気)が足りないために、新陳代謝が悪くなっています。そうなると筋肉も落ち、身体のラインも崩れがちです。

いわゆる隠れ肥満タイプ、と呼べるかもしれません。

食べる量を減らすとさらに“気”が不足し悪循環です。気を補って代謝を高めていく必要があるので、エネルギーを補っていく生薬である黄耆(おうぎ)などが含まれた漢方を使い、代謝を上げていきます。

このように体質によっては、ダイエットをするために逆にエネルギーを補充しなければいけない、そんな変わったアプローチが必要な方もいらっしゃるんですよ」

身体に合った漢方薬で、痩せやすい身体を手に入れる

――痩せにくい体質でもこんなにパターンがあるんですね!

「これだけでなく、皆さんの細かい症状などに合わせていくと、もっとたくさんの処方に分かれます。

漢方薬でのダイエットとは、痩せにくくなっている身体を、体質・太りやすくなっている原因ごとに違う漢方薬を使い、その方へのオーダーメイドのアプローチで痩せやすい体に変えていくというもの。

体質改善の一番大事な点は、自分に合った漢方薬を見つけることなので、漢方薬を飲み始める際は、必ず専門の漢方医や、薬剤師に相談してください」

自分の合った漢方薬を選ぶことが大事

今回はダイエットについて水沼さんにお話しいただきました。

「大事なのは自分の合った漢方薬を選ぶこと」というのがカギになるようですね。水沼さんが代表薬剤師を務めている「わたし漢方」にもダイエットのお悩みで、自分に合った漢方を求めて来る方も多いそう。

忙しくてなかなか病院に行けない方でも、LINEのチャットで漢方に精通した薬剤師の先生に気軽に相談できるので、興味がある方はぜひLINEから無料相談をしてみてください。

「わたし漢方ブログ」でも、身体を健康に保つための漢方の情報を、日々更新しています。ぜひチェックしてみてください。

▷わたし漢方ブログ:「朝時間.jp」


提供・DRESS(「人生を守る知恵、未来を歩く地図」となる言葉や人物、文化を伝えるウェブメディア)

【こちらの記事も読まれています】
【星座占い】12星座別 2020年下半期の運勢まとめ
ダイエットの「我慢」「辛い食事制限」という考え方は今すぐ捨てる
【手相占い】結婚線の見方 - プロの占い師が伝授します
VIO脱毛体験記。あまりの激痛にめげそう
ヘアケアおすすめ商品。 硬い、太い、多い髪をしなやかにする手触り