太らないコツは、朝ごはんにあり。
突然ですが、「朝ごはんを食べたら太る」と思っている方はいませんか?
「歳をとると、あまり食べないほうがいい」とか、「朝はスムージーだけ」というスタイルをYouTubeやInstagramで発信している有名人は数知れず。それが正解だと信じて、真似して挫折してしまったなんて話も聞こえてきます。
◆太らない私が続けている朝ごはんルール
大切な結論からお伝えすると、朝ごはんを食べないほうが良いという極端な提案は、科学的なエビデンスや専門家(医師・栄養士など)からは出されていないということ。そして何を食べるかについて、万人に共通する回答はないということ。
個々人のライフスタイルや体調、運動量やスケジュールによって理想的な朝ごはんは変わってきて当然ですし、どんなに美しい人であっても、毎日同じメニューばかり繰り返し食べているわけではありません。
では、どんなことに気をつければいいのでしょうか。迷宮に入ってしまいそうですが、今回は40代の私(身長165.5センチ、体重は46.5キロ。BMIは17で体脂肪は17%。健康診断ではほぼA)が、朝食時に無理なく続けている“朝ごはんに悩まない超カンタンルール”を3つご紹介してみたいと思います。
これを読んで、気がラクになった!という方が増えてくれることを祈りつつ……。
◆1.消化に良いメニューを選ぶ
まず一つ目は、私が長年の試行錯誤を経て大切にしている最重要ポイントから。
それは、「消化に良いメニュー」を優先するということです。生野菜やスムージーといった繊維質の多いメニューが朝の美容食として注目されるケースがありますが、私は食後に胃の不快感や体の重さを感じました。
加えて午前中のパフォーマンスが落ちてしまうことも経験したため、なるべく消化の良い、胃腸に負担をかけにくいメニューを好むようになりました。具体的にはスープやおかゆ、半熟状の卵料理を選ぶというもの。
また、季節を問わず「温かい料理」を積極的に取り入れています。これは体を温めることで胃腸の働きをよくなり、体全体の動きもスムーズになるから。
飲み物は氷を入れない常温茶かミルクたっぷりのホットティーが定番です。冷やさないという発想ではなく、温めるという肯定的な捉え方を重視しています。
◆2.たんぱく質をしっかり摂る
歳を重ねていく上で特に意識して摂取している栄養素は、「たんぱく質」です。肌、髪、筋肉の基本材料になりますから、美しさを保つためには“しっかり多め”を心がけています。
朝にしっかりたんぱく質を摂取することは筋肉の合成・維持に関わるだけでなく、食欲を抑えるホルモンの分泌に関わり、食べ過ぎや仕事中の間食を抑えられる効果もあることがわかっていますから、私の中では“美を作る一皿”だと思って用意をするようにしています。
しかしながら、具体的にどのような食材?ということになると、あまり厳密に決め過ぎないようにしています。それは、その日に冷蔵庫にあるものや家族が好むものでやりくりしたほうが継続するから。
ソーセージやベーコンは不健康といった否定をするよりも、無理なくおいしく選んで組み合わせていくことを大切にしています。特に好んで常備しているのは、卵、カニカマ、蒸し鶏。
他にも、納豆や焼き魚も大好物。冷蔵庫にたんぱく質食材を充実させておくと、朝ごはんのコーディネートがしやすくなることは間違いありません。
◆3.話題のヘルシー食材を少しだけ取り入れてみる
最後のポイントは、朝ごはんがマンネリにならないよう、美容意識をアップデートしていく目的で念頭に置いているモットー「話題になっている美容メニューを気軽に試してみること」です。
例えば、アボカドトースト。薄めのドイツパンにアボカドをたっぷり乗せて、旬のイチジクをトッピングしています。普段と違ったメニューを食卓に出してみると、家族の好奇心も高まって楽しい朝時間を過ごすことができます。
もう一つチャレンジしているのが、MCTオイル。これは中鎖脂肪酸100%の液体オイルで、脂肪燃焼体質に導いてくれるダイエットオイルとして人気が高まっています。
取り入れ方としては、有名な「コーヒー+MCT」よりも、おかずや果物にちょろりと垂らすほうが自分にとっては合いそうだと判断。便通が驚くほど良くなり、効果を実感し始めているのでしばらく続けていこうと決めています。逆に、やってみて合わない、おいしくないと感じたアイテムは無理をしないように決めています。
自分の好みやこれまでの食生活を大切にしながら、少しだけ美的好奇心を持って献立を考えていくと、知らず知らずのうちに効果が出てくるものだと信じています。
きれいになりたい気持ちを大切に、朝ごはんに喜びをお忘れなく!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12