京都市伏見区には、伏見稲荷大社や歴史の舞台となった寺田屋など、観光スポットが多くあります。酒どころとしても知られ、風情ある酒蔵を眺めたり、利き酒を楽しむこともできます。伏見を何度も訪れている筆者が、おすすめのスポットや穴場を紹介します。
1.伏見稲荷大社
伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)は、全国に30,000か所ほどある「お稲荷さん」と呼ばれる神社の総本宮で、京都でも有数の観光スポットとして知られています。JR稲荷駅から歩くと、豊臣秀吉によって造営されたといわれる、立派な楼門が見えてきます。この門をくぐると、拝殿、本殿といった建物が立ち並んでいます。
本殿の奥には、朱色の鳥居が多数立ち並ぶ参道が見られます。こちらは「千本鳥居」と呼ばれており、願いがかなった人が感謝するために奉納したものです。山中にずらりと鳥居が並ぶ神秘的な景観を、ぜひ見たいものです。
2.じねんと市場・じねんと食堂
じねんと市場は、近鉄京都線・京都市営地下鉄烏丸線の竹田駅東側にある、農産物直売所です。じねん(自然)とお客様をつなぐというコンセプトのお店で、生産者自らが野菜や加工品の値段を決め、出品しています。
店内には、地元でとれた新鮮な野菜や果物、米だけでなく、ジャムや菓子などの加工品、味噌、調味料まで、幅広く取り揃えられています。
こちらを訪れたら、併設の食事処「じねんと食堂」を利用するのもおすすめです。以前は地元京都の食材を使った料理をビュッフェスタイルで提供していましたが、リニューアルし、定食や麺類がいただけるお店になりました。
地元の食材を使うという点は変わっておらず、じねんと市場に並んだ野菜を調理した「選べる日替わり小鉢 じねんと小鉢定食」(850円)、京丹後のブランド卵を使った「京丹後ふわっとろ卵 昭和のオムライス」(950円)といった料理が味わえます。
敷地内には、スーパー銭湯の「伏見力の湯」もあります。内湯には、日替わり湯やジェット水流のストロングバスなど、さまざまなお風呂を備えており、散策後の汗を流すことができます。また露天風呂では、天然温泉も楽しめます。タンクローリーで運ばれてくるものですが、肌がすべすべするアルカリ性の湯は、気持ちの良いものです。
3.御香宮神社
御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ・ごこうぐうじんじゃ)は、近鉄桃山御陵前駅の東側にある神社です。平安時代に、境内に湧き出た香りの良い水が病に効いたため、清和天皇からこの名前を賜ったそう。主祭神として第14代「仲哀天皇」の皇后である神功皇后をお祀りしています。
表門をくぐると鳥居があり、長い参道が見えています。その先には、拝殿や本殿といった建物が建っています。拝殿には、極彩色の彫刻も施されているので、注目してみてください。
本殿前では、こちらの名前の由来となったご香水が現在でも湧き続けています。地元の人もよく汲みに訪れるという澄んだお水は、さっぱりとした味で、環境省の名水百選にも選ばれています。
境内にはほかにも、古くから植えられており、天然記念物にも指定されているソテツの木や、豊臣秀吉が各地から集めた茶花のうちの一つと伝わる、樹齢約400年のツバキなどがあり、見どころは多いです。
4.キザクラカッパカントリー
キザクラカッパカントリーは、伏見にある酒造メーカー「黄桜」が運営する、お酒のテーマパークです。レストランや売店、資料館も備えており、伏見でも人気の観光スポットとなっています。
酒蔵を改装したレストランでは、お造りや出汁巻き、野菜の焚き合などを詰め込んだ「竜馬御膳」(1,100円)や、ミックスフライ定食(880円)など、お手頃な定食も用意されています。敷地内で醸造した出来立てのビール「京都麦酒」や、美味しい日本酒とともに味わってみてください。
売店には、季節の日本酒や京都の銘菓、奈良漬などが販売されています。また、併設のお酒の資料館「黄桜記念館」では、黄桜の酒造りについて映像や資料などで解説しているので、興味のある方は入館してみてくださいね。
5.月桂冠大倉記念館
月桂冠大倉記念館は、大手酒造メーカー「月桂冠」の日本酒資料館です。明治4年建造の歴史ある蔵を活用した館内では、月桂冠の酒造りの挑戦について、史料などにより解説しているほか、木桶や酒樽といった古い酒造用具の展示もしています。見学は有料ですが、最後には季節のお酒の試飲が楽しめ、13歳以上の方にはお土産も付いています。
館内には、広い中庭や内庭もあり、見学の途中に休憩することもできます。特に中庭では、現在も酒造りを行っている内蔵、レンガ造りの煙突も見られ、とても良い雰囲気です。こちらには、酒造りに使われる水が湧き出ている井戸もありますよ。
館内の売店では、こちらでしか買えない限定酒や、奈良漬、酒まんじゅうといったお土産を販売しています。売店のみの利用は無料なので、気軽に立ち寄ってみてください。