芸能人の白くて綺麗な歯は憧れますよね。特にビッグボスこと新庄剛志監督は日焼けした肌も相まって笑うと真っ白な歯がキラキラと光ります。

 マスクで隠れる口元は、今が改善のチャンスということで筆者もホワイトニングに興味津々! やっぱり歯を白くしたければ歯医者に行ったほうがいいの?ということで、マウスピース矯正「hanaravi(ハナラビ)」の代表医師で歯科医師の各務康貴先生を取材してきました。

◆ビッグボスはセラミック矯正だった

 新庄剛志監督くらい白い歯を目指したい!ということで先生に話を聞いてみたところ、彼の場合は総額約2,200万円をかけたセラミック矯正だったということが判明しました(2020年9月3日放送『櫻井・有吉THE夜会』TBS系より)。歯並びも歯の白さも、歯の位置を手術で入れ替えて、陶器のような人工歯を装着して一気に解決したみたいですね。

「実は彼はホワイトニングではなく、セラミックで人工的に白い歯を実現しているようです。通常のセラミックは一本数万~十万円程度ですが、彼の場合は数十年前だったので日本で普及しておらず海外から歯を取り寄せて処置を行なったようですね」(コメントは各務先生、以下同じ)

◆ホワイトニングでビッグボスくらい白くできる?

 歯に2,000万円以上かけるのは、一般の人にはなかなかできないですよね。出来れば安く抑えて歯を白くしたいもの。

各務康貴先生
各務康貴先生
「一般的に見て白いとされる状態まで持っていくことは可能です。ただし日本人は、白人や黒人と比較して歯が元々黄ばんで見える傾向にあり芸能人並みに白くするまで時間がかかるとされます。理由は日本人の歯の表面を覆う『エナメル質』が平均的に薄いからです。歯は表面を覆う『エナメル質』と、骨に近い色で少し黄色い『象牙質』で構成されています。エナメル質が薄い方ほど黄ばんで見えることが多く、日本人はエナメル質が薄いため黄色く見えます」

 食べ物や飲み物による着色だけでなく、元々歯が比較的黄ばんでいる方はいますが理由は内側の象牙質が見えていたからなんですね。コーヒーや紅茶といった食生活が主な原因だと思っていたので少しショックです…エナメル質が薄い方でも、ホワイトニングで歯は白くなるのでしょうか?

「歯科医師が処方するホワイトニング剤であれば、エナメル質に作用することで白く見えますよ」

◆ホワイトニングで歯を白くできる限界

ホワイトニングで歯を白くできる限界
「この画像を見てください。歯がホワイトニングによって白くなる限界が010、一般的な日本人の色がA3、B4あたりだとします。ホワイトニングでは段階を経て『040以下』を目指す方が多いですね。回数や期間はスタート時の色や歯の特徴によって異なりますが、1ヶ月もかければ皆さん白く見えますね」

◆歯を真っ白にしても健康に問題はない

「歯科医が処方するホワイトニングジェルは容量用途を守った使い方であることが絶対条件です。一回で一気に白くしたいからといって長時間放置し続けるといったことは絶対にやめましょう。用法用量を守って使用すれば健康上の問題はないとされていますが、利用法を守らないと害になることもあります。

 少し専門的な話をすると、歯の漂白効果が認められる過酸化物は日本の医薬品医療機器等法で歯科材料(医療用具)とされ、医療機器(クラスⅢ)ですので歯科医師の診察が必要となります。私たちが提供するホワイトニング剤は歯の色素を分解する成分が含まれており、エナメル質と象牙質表面に作用します」

 漂白効果が本当に認められる成分は、歯医者さんじゃないと取り扱えないんですね…歯が白くなると言われる歯磨き粉を使っても、物によってはイマイチ効果が感じられなかった原因がようやく分かりました!

 では次に、本格的なホワイトニングを実施するステップについて教えてもらいましょう。

◆オススメのホワイトニング方法

オススメのホワイトニング方法
写真はイメージです。
「歯科医が処方するホワイトニングジェルは一般的に『過酸化水素』または『過酸化尿素』が含まれます。歯医者で実施する場合と、ジェルを貰い自宅で実施する場合がありますが、安心なのは歯医者で実施する場合です。ただし価格は1回で数万円と2倍ほどにあがります。

 ご自宅でホワイトニングを実施する際も、最初はマウスピースを作る必要があるため数万円かかります。ただし1度作れば、ジェル自体は7日分入って5000円が相場なのでお手頃価格と言えますね。

 また本気で白くしたい場合はデュアルホワイトニングといって歯医者・自宅ホワイトニング両方を活用するのが主流になってきています。あくまで色素沈着の予防を目的とする場合は市販のホワイトニング歯磨き粉でもよいでしょう」

 きちんと歯を白くしたいなら、お財布に余裕があれば歯医者でホワイトニング、値段を抑えて歯を白くしたい場合はマウスピースを作って自宅でホワイトニングが手を出しやすいかもしれませんね。

◆白くて美しい歯になるまでの3ステップ

 今回は最も一般的なホームホワイトニングのステップについて紹介します。

各務先生提供写真
写真は各務先生提供。
ホームホワイトニングを実施するまでの3ステップ:

(1)歯医者で歯の表面をクリーニング

(2)マウスピースを作成(1週間程度)

(3)ホワイトニングジェルを購入し、マウスピースと一緒に使用

 こうやって1度マウスピースを作成すれば、ジェルをもらうだけで何度でもホワイトニングできますね!

◆ついでに歯のマウスピース矯正もオススメ

「歯の美しさの条件は①歯並びが良く②歯が白いという2つの条件が満たされることです。最近では30万円からと、従来よりも安価に歯並びを整えることが可能となりました。矯正用のマウスピースで、矯正しながらホワイトニングも可能です。もし興味があれば歯を白くすると同時にマウスピースを活用した歯の矯正も可能ですよ」

ついでに歯のマウスピース矯正もオススメ
写真はイメージです。
 確かに、白くても歯がガタガタだと決して美しい歯とは言えませんね…。歯の矯正はワイヤー矯正のイメージが強く、100万円ほどかかるものだと思っていたので随分手が届きやすくなったと驚いています。

 ホワイトニングも歯の矯正も、決して安い買い物ではありませんが、歯を見せながら人前で笑うことに躊躇する方や、写真写りがどうしても気になるといった悩みを抱えている方は決して少なくないはず。美しく健康な歯になると、自然と笑顔が増えて明るくなれそうです!

【各務康貴(かくむ・やすたか)】

大分大学医学部卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事。若年層に予防や多くの臓器にアプローチするため口腔環境に興味を持ち、マウスピース矯正hanaraviを手掛ける株式会社DRIPS創業。透明で目立たない歯科矯正を月々4,700円から矯正をはじめられるので、今まで手を出せなかった方でも手を出せるように。

<文/倉田メイ>