親子関係心理学の専門家でコーチングやコンサルティングしている三凛さとし氏。著書『親子の法則人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』では、人生の9割は「親との関係」で決まる、と人格形成においていかに親の影響力があるかを説いています。
恋愛、夫婦関係、仕事、お金…など、現代社会を生きる女性たちは様々な悩みを抱えています。その悩みの根幹には、親子関係や過去の自分が少なからず影響しているのでしょうか? コーチングプログラムなどを通して、これまで何万人もの方の、人生好転の手助けをしてきたという三凛氏に、悩める女性のリアルなお悩みに答えてもらいました。
なんで私だけこんな目に…
相談者:女性・31歳・OL
出産後のキャリアアップで悩んでいます。出産して仕事に復帰したけど、保育園のお迎えや体調を崩した子どものお世話はいつも私ばかり。キャリアアップしたいけど今の状況ではできそうになく悔しいです。夫は最近大きな仕事を任されたのに、なんで私だけこんな目にと思ってしまいます。私もバリバリ仕事がしたいけど、子どもも大切にしたいし、給料は夫のほうが多いので強く言えません。キャリアアップは当分諦めるしかないのでしょうか…。
別に強く言う必要はない
――子育てと仕事の両立に悩んでいる女性は多いです。とくにキャリア志向の女性にとっては深刻な問題ですが、抜け道はあるのでしょうか!?
三凛さとしさん(以下、三凛)「う~ん、この相談者の方は“苦労性”の人って感じがします。要は『なんで私ばっかり』って言いながら抱え込むタイプの人。保育園のお迎えや体調を崩した子どものお世話は私ばかりって言ってますが、なぜ夫に任せられないのか?『夫に強く言えません』とのことですけど、別に強く言う必要はないですよね。
ちゃんと夫婦で話し合えばいいだけの話なのに、自らいろんなことをやって『私ばっかり』って言ってませんか?」
――被害者意識のような…?
三凛「はい、『私ばっかり』と自分を被害者にすることで優位に立とうとしている面があるのかもしれません。『自分ばっかりが抱え込んでいる』という被害者でいることで、周囲からは『かわいそう』と言われますし、人のことを『あなたはちゃんとしていない』と責めることもできる。
全部自分で抱え込むことが、ある種の自己肯定感じゃないですけど、ある意味満たされている状態になってしまっているんです」
本気で腹を割って話してみよう
――そういった、「私ばっかり」と抱え込んじゃうタイプの方は、育った家庭環境も影響しているんでしょうか?
三凛「育ってきた家庭の中で、自分だけ割を食っているとか、おいしい思いをしなかった、と感じてきた人は大人になってからも“おいしい思いをしてない私”を誰か慰めて、だれか共感して、とアピールしている可能性があるんですよ。要するにかまってちゃん。
この方は、勝手に『諦めるしかない』ってぶつぶつ言ってるだけのような気がして(笑)。旦那さんにそもそも相談しましたか? 本音で腹を割って話し合って、役割分担するなりしましょうよ」