【おこがましいの意味と使い方】漢字表記が2種類ある理由
「おこがましい」の漢字表記には「烏滸がましい」と「痴がましい」の2つがあります。
どうして2つの表記をするようになったのでしょうか?!
「おこ(をこ)」の語源を調べてみると、どうやら最初の言葉は「烏滸」で間違いがないようですが、「烏滸」という漢字にはどちらの字にも「ばかげている」とか「生意気な」という意味がありませんよね。
「痴」という漢字は「痴呆」という言葉に使われていることから、よく目にする人もいるでしょうが「愚かなこと」とか「ばかげている」「知恵が足りない」といった意味がある漢字です。
そこから推測すると、最初は「烏滸」という漢字を使っていたところに、漢字の意味そのものが「ばかげた」という意味を持つ「痴」を当てるようになったことが、漢字表記が2つできた理由のようですね。
【おこがましいの意味と使い方】類語は?
次に見ていきたいのが「おこがましい」の類語に当たる言葉です。
「ばからしい」「生意気だ」どちらの意味でも使える「おこがましい」という言葉にはどんな類語があるのでしょうか?!
この二つの意味を持つ言葉もいろいろとあるので「おこがましい」の類語もたくさんあります。
「おこがましい」の類語を見ていきましょう。
「おこがましい」の類語一覧
「おこがましい」の類語には次のような言葉があります。
・身の程知らず(能力をわきまえないこと)
・厚かましい(慎みがなくずうずうしく遠慮がないこと)
・厚顔(面の皮が厚く、恥知らずでずうずうしいこと)
・差し出がましい(必要以上にでしゃばって他の人に関わろうとすること)
・生意気(自分の身分を考えずに、必要以上の言動に出てしまうこと)
・無遠慮(遠慮がない態度で好き勝手振る舞うこと)
・でしゃばる(余計な口出しや手出しをすること)
・出過ぎる(自分の分を超えた振る舞いをしてしまうこと)
・猪口才(小生意気でこざかしいこと)
・僭越(自分の地位をわきまえずに、出過ぎた言動に出る態度)
・分不相応(身分や地位を越えていること。特に必要以上の贅沢をしている時に使う)
・ばかばかしい(途方もなくばかげていること)
このように「おこがましい」には類語がたくさんあることがわかりますね。
仕事をする上でも、その時々のシチュエーションに合わせた使い分けができると、ちょっと出来る人に思われるかもしれませんよ!!
【おこがましいの意味と使い方】例文と使い方
次に見ていきたいのは、「おこがましい」の使い方と例文です。
「おこがましい」には「ばかばかしい」と「生意気な」という2つの意味がありますが、仕事での使い方はもっぱら「生意気な」という意味で使うことがほとんどです。
先輩や上司、目上の人に対して何か意見をする時に、自分のことを「生意気ながら…」と謙遜しながら言う時に使う使い方が一般的です。
この他に「ばかばかしい」と使う時には、自分のことを謙遜して使うのではなくて、他の人のことに対して使います。
自分以外の人に対して使う時の「おこがましい」の使い方はかなりきつい印象を与えるものの言い方になるので、注意が必要です。
それではここから「おこがましい」の例文を見ていきたいと思います。
「おこがましい」を謙遜の意味で使う時の例文
(例文1)
自分よりももっと意見を言うのにふさわしい専門家がいるシチュエーションで意見を言う時に使います。
「私から言うのもおこがましいのですが…」
(例文2)自分が身の程をわきまえないような場にいることを謙遜して伝えたいときに使います。
「このような場にお招きいただき、おこがましく感じております」
(例文3)自分が生意気な言動をしていると相手に伝える時に使います。
「おこがましいお願いをしてすみません」
(例文4)相手の言動をばかばかしく生意気だと戒める時に使います。
「おこがましい発言は控える様に」
「あの人はなんておこがましい人なんだろう」