天気予報で耳にすることの多くなった「猛暑日」。
2022年8月、東京都心の猛暑日日数は14日となり、歴代最多となりました。そんな暑さの続く中、経済産業省では今夏の電力需給は全国的にここ数年で最も厳しくなるとの見通しを明らかにし、産業界への更なる省エネの取り組みを求めています。
また、世界的にも最高気温を記録しているなど、今後も暑さによって、エネルギー消費が加速し、環境への負荷が増え、地球温暖化が進むという悪循環になることが予想されます。
今回は、そんな省エネ対策を求められる企業の対策方法についてご紹介します。
エネルギー消費:製造業が最大のシェア
経済産業省のデータによると、2020年度は企業・事業所他部門がエネルギー消費全体の61.9%を占めています。
また、企業・事業所他部門の中では、製造業が最大のシェアを占め、2020年度の割合は68.1%。
製造業のエネルギー消費は、全体の4割ほどを占めているため、更にエネルギー効率を高めていくことが求められています。
省エネ対策は、環境負荷の軽減だけでなく、積極的に取り組むことで企業にもさまざまなメリットが期待できます。
企業が省エネの取り組みをするメリット
主に企業が省エネ対策に取り組むことによって、
企業のイメージアップ
設備の安定的な稼働
などのメリットにも繋がります。
企業ができる省エネ対策
オフィスや工場など、企業としてできる電力、空調、照明関連の取り組みをご紹介します。
【電力関連】
こまめに電子機器の電源をオフにする
待機電力を減らす(長時間使用しない電子機器は電源プラグをコンセントから抜く)
【空調関連】
空調を使う場所を制限する
サーキュレーターの使用
【照明関連】
照明器具の掃除
間引き照明
空室・不在時のこまめな消灯
人感センサーの設置
といった省エネ対策がありますが、実際のところ、すでに空調設定、照明関連の省エネ対策はほとんどの企業が取り組んでいるのが現状で、対策にも限度があります。
次の一手、さらに効率よく省エネの取り組みとして、「断熱塗料を使用する」方法があります。
【アメリカ】省エネの取り組み「クール・ルーフ」
ニューヨーク市では、集合住宅や病院の屋上をペンキで白く塗装する「クール・ルーフ」という取り組みが2009年から進められています。
屋根を白く塗装することにより、日光を反射させ、屋根から建物内部への熱の流れを減らすことで、空調のある建物のエネルギーとコストを節約したり、空調のない建物の快適性と安全性を向上させたりすることができます。
それ以外にも、
建物を冷却するためのエネルギー需要を削減することで、発電所の排出量を削減
などといったメリットもあります。