札幌から日帰りで行くことができる、ハズすことのできない絶景紅葉スポットをご紹介します。北海道を隈無く旅しているプロカメラマンによる撮影ワンポイントアドバイス付きなので、撮った写真はSNSで自慢できること間違いなし!車で行くことを前提に片道の距離数と時間も記載したので、ぜひ紅葉ドライブの参考にしてみてください。
1.【札幌市】石山緑地
かつて建材として軟石を切り出していた石切り場跡を利用して造られた公園。展望テラスやテニスコートなどが設けられた「北ブロック」と、岩肌が露出し特異な景観を持つ「南ブロック」の2つがあります。
南ブロックには北海道在住の彫刻家集団によるアート作品が自然と一体化するように設置されており、芸術性の高い空間はさまざまなイベントにも利用されています。
無料駐車場、トイレ、水飲み場が完備されているので、小さなお子様のいる家族連れにもおすすめ。休日は多くの家族がレジャーシート持参で自然とアートを楽しんでいます。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
無機質な石山と自然のコントラストが楽しめるスポットです。アート作品や影と紅葉を絡めながら撮影すると、思わぬ芸術的な写真が撮れるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。
- 〔札幌中心部より約12km・20分〕
- 例年の紅葉見頃:10月中旬〜下旬
2.【札幌市】国営滝野すずらん丘陵公園
1日では遊び尽くせない400haもの広大な敷地を有する道内唯一の国営公園。春夏秋冬一年を通して季節ごとに違った楽しみ方ができることが最大の魅力です。オートキャンプ場やレストランのほか、パークゴルフ、釣堀などの施設も充実。
園内には4つの滝があり、それぞれ違った表情を見せています(2017年9月現在「不老の滝」は大雨の影響で立入禁止となっています)。なかでも落差26mのアシリベツの滝は「日本の滝百選」にも選ばれるなど、豊富な水量と迫力ある水しぶきが大人気。マイナスイオンが感じられる癒やしスポットでもあります。
また、渓流口駐車場からアシリベツの滝へ向かう遊歩道の紅葉も見事です。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
一眼レフカメラで三脚を使いシャッタースピードを遅くすると、滝が白糸のように美しく流れる様が撮影できます。勇壮な滝もこうして撮ると繊細なイメージに仕上がります。
- 〔札幌中心部より約20km・36分〕
- 例年の紅葉見頃:10月中旬〜下旬
3.【札幌市】豊平峡(ほうへいきょう)ダム
200万人都市札幌の水瓶である豊平峡ダム。札幌市民の憩いの場所にもなっている豊平(とよひら)川はここで治水された水が市内へと流れて行きます。四季折々の景色が見られる景勝地として知られ、「水源の森百選」「ダム湖百選」にも選ばれています。特に紅葉と千丈岩が見せるコントラストは美しいと評判です。
観光放流が間近に見られるダム提頂部からの景色も良いですが、近くにはダム湖全体を見渡せる展望台が3つもあるので、見所も満載です。6月から10月末日迄は毎日観光放流をしているので、時間帯を合わせて行くのがおすすめです。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
駐車場からはハイブリッド電気バスに乗り換えますが、ゆっくり走るので移動の最中もシャッターチャンスがあります。往復ともに左側に座ると九段の滝や千丈岩が見られますよ。
- 〔札幌中心部より約31km・55分〕
- 例年の紅葉見頃:10月上旬〜中旬
4.【千歳市】支笏洞爺国立公園 支笏(しこつ)湖
日本一の水質と秋田県の田沢湖に次いで全国2位の水深を誇るカルデラ湖。札幌からほど近く、温泉街もあるので道民から広く親しまれている湖と言えます。晴れた日には樽前山、恵庭岳、風不死(ふっぷし)岳などダイナミックな山々と湖の共演が楽しめます。
余談になりますが、筆者が支笏洞での某ロケ中、周辺のホテルの方々やビジターセンターの方などが湖に向かって一斉に走って行くところに出くわしたことがあります。理由がわからなかったのでとても不思議に思ったことがありました。
後から聞いた話によると、その日は1年でもたった数日しか訪れない「天気が良くて風のない日」だったそうです。無風の支笏湖はその透明度から湖が鏡面のようになり、周囲の景色を湖面に映し出します。そのシャッターチャンスを逃すまいと、みなさん大急ぎで宿から飛び出して来たというわけですね。
紅葉の季節ではありませんでしたが、鏡面の支笏湖を撮影することができましたので、以下に掲載しておきます。透明感がよくわかる一枚になったのではないでしょうか。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
空と湖の境界線を写真の上下のど真ん中に置くと平凡な写真になりがちです。真ん中より上、あるいは下にすることで、空と湖のどちらかをより強調することができます。道路を入れて撮影すると北海道らしい広がりを感じられる一枚になるでしょう。車は必ずパーキングに停めて撮影してください。
- 〔札幌中心部より約48km・1時間17分〕
- 例年の紅葉見頃:10月上旬〜中旬
5.【夕張市】滝の上公園
長い年月をかけた夕張川の浸食によってできた奇岩と、幾重にも折り重なるように流れる滝が見られる渓谷で、紅葉の美しさは特筆すべき道内屈指のスポットと言えます。
駐車場からは橋を渡って川の向こう岸へ渡ることができ、帰りは吊り橋を通って戻ってきます。散策路はゆっくり歩いてもおよそ30分程度。最初の橋の上からの景観が最も人気のあるビューポイントになっています。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
最初の橋から川の上流を向くと、滝と奇岩がダイナミックな印象で力強い写真が撮れます。下流の方を向くと美しい渓谷美のなかに吊り橋が写り込み、風情のある優しい印象に変わります。
- 〔札幌中心部より約58km・1時間22分〕
- 例年の紅葉見頃:10月中旬
6.【洞爺湖町】洞爺(とうや)湖周遊道路
洞爺湖サミットで日本中にその名を知らしめた洞爺湖は、景勝地としてはもちろん温泉街や道の駅などの施設も充実しており、一大観光地として世界中から観光客を迎え入れています。東西約11km・南北約9kmというほぼ円形をした湖は、道道2号線、578号線、132号線で結ばれており、車や自転車で湖畔を一周することができます。
北に位置する洞爺地区の「浮見堂公園」や「水辺の森の小径(財田自然観察道)」などが紅葉を楽しむには最適でしょう。南に位置する洞爺湖温泉地区には「足湯ポケットパーク 薬師の湯」や「洞龍の湯(とうろんのゆ)」といった手湯や足湯が楽しめるスポットがあります。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
周遊道路で紅葉を撮影する場合は駐車スペースがなかなか無いので注意が必要です。撮影中も車の往来には十分注意してください。湖畔にある財田キャンプ場の駐車場を利用すれば「水辺の森の小径(財田自然観察道)」の紅葉を歩きながら楽しむことができますよ。
- 〔札幌中心部より約90km・2時間10分〕
- 例年の紅葉見頃:10月中旬〜下旬
7.【壮瞥(そうべつ)町】オロフレ峠展望台
標高1,230mを越える絶景のオロフレ峠にある展望台。空気が澄んでよく晴れた日には太平洋、洞爺湖、羊蹄(ようてい)山に倶多楽(くったら)湖と、どの方角を見ても北海道を代表する雄大な大自然を堪能することができます。
冬期夜間は閉鎖となるほどの難所としても知られていますが、展望台からの景色は素晴らしいので多くのライダーやドライバーが休息スポットとしても利用しています。標高が高いため紅葉は早めに始まるでしょう。
<カメラマン ワンポイント アドバイス>
洞爺湖方面を狙うなら午前中、倶多楽湖方面を狙うなら午後からが順光となります。峠らしい曲がりくねった道を入れて撮るなら倶多楽湖方面がおすすめです。洞爺湖と登別を結ぶ道路の中間にあるので、紅葉のハシゴもできますよ。
- 〔札幌中心部より道央自動車道利用約125km・2時間10分〕
- 例年の紅葉見頃:10月上旬〜中旬