子どもも大事だし、母親の心の自由も大事
――「同人イベントのための託児」ということに対し、風当りはありませんでしたか?
四辻「子どもを趣味のために預けるって、日本ではあまり一般的ではありませんからね。『イベントくらい我慢したら』『趣味より子ども優先でしょ』なんて声は無くはなかったと思います。でも、私たちは子どもを放っておこうという考えではないんです。子どもも大事だし、ママさんの心の自由も大事。楽しんでリフレッシュすることで、ママさんの気持ちが安定すれば、それが子どもの幸せにも繋がるはずだと考えています」
――子育てという大変な仕事をしているなら、息抜きだって必要でしょう。理解して欲しいですよね。
四辻「それでも、この5年の間に風当りはかなり弱まってきました。子育てがいかに大変であるかの理解が進んできたんだと思います。その上で趣味を満喫するためにも、みんなで子どもを集めて預ければ金銭面でも安くなるし、困っているママたちへの助けにもなるという思いでここまでやってきました」
『にじいろポッケ』を続ける原動力とは
――ぶっちゃけた話、『にじいろポッケ』は収支的には……?
四辻「正直、自分だけでベビーシッターを頼み続ける方が安くついたように思います(笑)。2017年にクラウドファウンディングをしたときは、集まらなかったらもうやめるべきなのかとも思っていました。その3年後にはコロナ禍に見舞われて、申し込みが一人だけなんてこともありましたし」
――しかし、そんな現状でも四辻さんが『にじいろポッケ』を続けようと思う原動力はどこにあるのでしょうか?
四辻「ひと言でいえば『恩送り』ですね。私が同人活動を本格的に始めたのは1人目の産後のことなんです。あるジャンルにドハマりして、ピクシブ上で活動を始めたんですが、だんだんイベントにも出たくなってきて……。そうしたら夫の知り合いの同人作家の方たちが『本を作ろう、イベントも出よう!』ってすごく応援をしてくれたんですよ。その熱さに引っ張られて、無事にイベントに出ることができた。だから『にじいろポッケ』の活動にも、他のママさんたちも応援されるべきだし、イベント参加を祝福されるべきだって気持ちが根底にあるんです。みんなに『ママもイベント出ていいんだよ』って言いたいんです」
自分らしく生きれば、子どもが好きなことも大事にできる
――『にじいろポッケ』は同人イベントだけでなく、他の趣味や楽しみのためにも利用が可能だそうですね。もはや、趣味を持つママさん全体を応援している託児サービスといえるのではないでしょうか。
四辻「私はママも自分らしく生きるってすごく大事だと思っているんです。自分の時間を大事にすることのできるママは、子どもが好きなことも大事にできるママになれるんじゃないかな。ママに抑圧があると、自分の自己実現を子どもに架してしまうこともあります。『私がこんなに頑張ったんだから、子どもも期待に応えるべき』という思考になってしまうこともあるんじゃないかなと」
――近年、話題にあがっている毒親的思考ですね。
四辻「毒親というか、どんな人でも、自分がすごく無理して頑張ってるのに、思うようにならなかったらイライラしちゃうと思います。でも、子育ては大概思うようにならない。私自身、なんで子どもは思い通りにならないんだって悩んだ時期もあります。でも、自分自身が好きなことも楽しめていれば、『まあ、子どもも好き勝手したってしょうがないか』と思えるんですよね。だから、今苦しんでいるママさんにも、肩の力を抜いていきましょうって伝えられたらいいなと思います」
オタクママたちの心の支えになりたい
――今後も『にじいろポッケ』の活動は続けていきますか?
四辻「そうですね。気軽に預ける場として、オタクママさんたちの心の支えになれればと思います。利用してくれたママさんたちからの『これでイベント参加を諦めなくていいと思うと嬉しい』『数年ぶりにイベントを楽しめました』なんて声を聞くたびに、本当に嬉しいしやってきて良かったと実感しています」
――ありがとうございました!
<取材・文/もちづき千代子>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama
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