キャラ弁とは、具材でアニメなどのキャラクターを表現したお弁当で、中には、本物そっくりな作品を生み出す強者もいたりします。今回は、大好きな彼のために一生懸命作ったキャラ弁にまつわるエピソードを紹介しましょう。
念願の牧場デートへ
お話を聞いたのは、精密機器メーカーの広報課で働く京子さん(仮名・24歳)。京子さんには地元のテニスサークルで知り合ったMさんという彼氏がいて、料理が得意な京子さんはMさんに料理を振る舞うことが好きでした。
とりわけ、京子さんが最近夢中になっているのはキャラ弁作りだそうで、手の込んだ完成度の高い出来栄えが、自身のSNSでも人気を呼んでいるそうです。
そんな中、Mさんから次の日曜日に牧場に行ってみようという、デートの誘いを受けた京子さん。
「以前に一度『牧場にいってみたい!』と口にしていたのを彼は覚えていてくれたんです。もう嬉しくて思わず彼に抱きついちゃいました」
京子さんが牧場デートをしたかった理由には、もちろん緑いっぱいの草原で動物たちと戯れたいという他に、Mさんが大好きな、『ワンピース』のルフィのキャラ弁を作ってあげることだったそう。
キャラ弁作りの予行演習
京子さんは、予行演習を兼ね、本番と同じキャラ弁を作ろうと考えたようです。
早速、具材を買うために近所のスーパーへ足を運びます。練習用と本番用の具材を買い込み、家に戻り早速試作を始めました。
「キャラ弁作りはとっても細かな作業が必要で、料理専用に買ったカッターナイフとピンセットが大活躍なんです。少しずつ作り方を変えて何種類かの作品を作ったんですが、具材のカット方法や、立体感の演出にはまだ改良の余地があるものの、ほぼ満足する試作が完成しました」
迎えた真剣勝負の本番当日
いよいよデート当日になり、京子さんは、前日から仕込んでおいた具材などをキッチンに勢揃いさせます。そして、ハンバーグや副菜をしっかりとした味付けで調理し、次にご飯の上をハム、チーズ、のり、ねぎ、人参などでデコレーションをするのだそう。
ここで、予行演習の時は気にならなかった細部のバランスやレイアウトが気になりだし、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤を繰り返す京子さん。時間はどんどん経過し、Mさんの迎えのインターホンが鳴ったと同時に、ようやく満足のいくキャラ弁が完成したのだとか。
京子さんは、慌ててランチバッグにお弁当をしまってMさんのクルマに乗り込みます。
「まさにギリギリセーフでキャラ弁が完成したんです。ま、少し妥協した部分もあったんですが、彼の喜ぶ顔を想像したらなんか嬉しくなって、クルマの中では自然とアニメの曲を口ずさんでいました」
京子さんは当時を振り返って語ってくれました。