2018年にタイ北部で起きたサッカーチームの少年&コーチ計13名の遭難と奇跡の救出劇を映画化した『13人の命』が、Prime Videoにて2022年8月5日(金)より、240を超える国と地域で独占配信される。

本作でメガホンを撮るのは、これまで『バックドラフト』や『アポロ13』などを手掛け、『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞監督賞・作品賞を受賞した経験を持つ巨匠、ロン・ハワード監督。本作配信に先駆け、tvgrooveは独占インタビューを決行。共同プロデューサーでタイのフィルムメーカーでもあるVorakorn “Billy” Ruetaivanichkul さん(以下、ビリーさん)も同席し、本作について存分に語っていただいた。

ーーこの度は、映画のリリースおめでとうございます。ロン・ハワード監督は、これまでも『バックドラフト』などディザスター映画を手掛けてきましたが、今回、この作品を手がけるにあたって、過去の作品からヒントを得たことなどありますか。

ハワード監督:私はいつも、どの作品からも学んでいます。『バックドラフト』での火災、『アポロ13』での宇宙空間や、閉所恐怖症、恐れる心など、監督として私の学んだ体験は、確実にこの作品に生かされていると思います。 またF1レーサーを描いた『ラッシュ/プライドと友情』もそのひとつです。この作品は国際色豊かで、異なる言語が使われていて、異なる文化も反映されていました。

そして、これらの作品から得た教訓は、できるだけこの作品にも反映させたのです。メッセージのパワーを理解することはとても重要で、メッセージがひとつになることで奇跡が起こるものです。だから、私は、『13人の命』が人々を夢中にさせるものであり、エンターテイメントであり、そして感情的なサスペンスや緊張感も作り出していると実感しています。

ーー共同プロデューサーのビリーさんは、この事件が起きた当時の心境などを覚えていらっしゃいますか?今回、このプロジェクトに参加すると決定した時の心境などもお聞かせください。

ビリーさん:私はこの事件に対して以前からすごく興味を持っていました。 最初、私の同僚がこのプロジェクトに参加していて、その後、声をかけてもらったのです。私はまだ若いフィルムメーカーなので、このプロジェクトは私自身のためになると思いました。このプロジェクトに参加したのは、自分自身を成長させ、タイで起こったこの物語を世界に伝える良い機会だと思ったからです。このプロジェクトに参加したことは、決して後悔していません。ロン監督や他のプロデューサーたちから、この壮大な物語を映画的なストーリーテリングにすることについてなど、多くのことを学びました。この作品はタイ北部を舞台にしているため、タイ国内の建築物を調査する必要があり、現地文化財、そこに住む人々の文化、話し方、信仰、人々の反応など、この作品の中に取り入れることができるものすべてを調査しました。私はタイのフィルムメーカーとして、この物語を世界に発信できることを誇りに思っています。

ーー本作を見て、災害に対する人々の反応が、とても興味深かったです。救助の人に対し、怒りや苛立ちではなく、真っ先に手を合わして「ありがとう」というのは、タイのすばらしい文化だと実感しました。実際に撮影するにあたって、タイの文化について監督が最も表現したかったポイントはありますか?

ハワード監督:タイを舞台にした国際的な作品というと、アクション映画、犯罪映画、そして銃撃戦などがあり、エキゾチックな文化というイメージがあります。そしてタイの文化について詳しく知っている人は少ないと言えるでしょう。『13人の命』に関わった誰もが気に入っているのは、この映画がタイの文化について非常に真実味のある方法で伝えているポジティブな映画ということだと思います。犯罪を扱わず、アクションを扱っていないですからね。救助に責任を持つことはもちろんのこと、サポートのために心や扉を開くすばらしさ、そしてリーダーシップを持つためのすばらしい決断があり、すばらしい問題解決の例があって、私はそれを映画に反映したかったのです。