サスペンスドラマのロケ地として有名な「東尋坊」や、50mの断崖が2kmも続く「三段壁」、断崖絶壁から見るエメラルドグリーンの海が絶景の「オハイ」など、ダイナミックな断崖が迫力満点の、日本のおすすめ断崖絶壁をご紹介します。
1.東尋坊(福井)
サスペンスドラマのロケ地として有名な、断崖絶壁。日本海の荒波によって削られた岩肌が約1kmにわたって続く奇勝地で、国の天然記念物に指定されています。このような「輝石安山岩の柱状節理」という珍しい地形が見られるのは、韓国、ノルウェーとあわせて世界に3カ所だけ。荒波に耐える忍耐力を授かることができるパワースポットと言われています。
東尋坊の楽しみ方のひとつが、崖上から迫力満点の写真を撮ること!高さ25メートルの「大池(おおいけ)」をはじめとした崖っぷちからダイナミックな景観を覗き込むことができます。そのほか遊覧船から断崖絶壁の絶景を眺めたり、東尋坊タワーからパノラマを見渡したりして楽しむこともできます。
2.三段壁(和歌山)
太平洋に切り立った50メートルの断崖が2キロも続く、ダイナミックな風景が広がる三段壁。かつて魚の群れを見つけるための場所「見段」(みだん)があって、これが転じて三段壁と呼ばれるようになったのが名前の由来だそう。まるでサスペンスドラマに出てきそうな断崖絶壁は大迫力で、思わず足がすくみます。
そして地上からエレベーターに乗って地下へと向かうと、そこにはなんと洞窟が広がっています。洞窟の全長は200メートルもあり、洞窟内に流れこんで大きくはじける波や、資料に基づき復元された熊野水軍の番所、日本最大クラスの大きさをほこる青銅製の牟婁大辯才天(弁天様)が見どころです。
3.猊鼻渓(岩手)
猊鼻渓(げいびけい)とは、岩手県一関を流れる北上川の支流・砂鉄川にできた全長2kmほどの渓谷。高さ100mを超す迫力ある岸壁の間を、澄んだ川がゆったりと流れています。
渓谷を往復90分ほどかけてめぐる舟下りは、船頭が棹一本で舟を巧みにあやつります。舟の上で飲食もできるので、ビールや鮎の塩焼きなどを購入して乗船するのがおすすめ。12月〜2月の間はこたつ舟として運行します。
そして折りかえし地点の三好ヶ丘に着いたら、一度舟を下りて周辺の散策が楽しめます。ここでぜひ試したいのが「うん玉」投げ。対岸に空いた穴に、「福」「縁」「寿」「愛」「願」など願いが刻まれたうん玉(3個で100円)を投げて、見事入れば願いが叶うというものです。
4.鬼ヶ城(和歌山)
熊野灘の激しい荒波によって浸食された断崖絶壁が約1kmにわたって続く景勝地で、昭和10年(1935年)に国の天然記念物に指定されました。
その後昭和33年(1958年)に獅子巌が追加で指定され、名勝および天然記念物「熊野の鬼ケ城 附 獅子巖」に。また世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する資産のひとつにもなっています。
5.オハイ(三重)
三重県尾鷲市の小さな漁村「九鬼町(くきちょう)」。この町で、いま注目を集めている秘境が「大配(オハイ)」です。
NHK『あさいち』も取り上げられた絶景スポットで、断崖絶壁から見るエメラルドグリーンの海が美しすぎると話題!オハイまでは片道2時間半ほどの登山になります。
6.祖谷渓 小便小僧(徳島)
高さ200mの突き出た絶壁の岩にたつ「小便小僧」の像は、もはや祖谷渓のシンボル。「その昔、地元の子どもたちや祖谷渓を訪れた旅人などが、この辺りの断崖で度胸試しを行った」という逸話を元に作られたと言われています。
7.鋸山(千葉)
”地獄のぞき”で有名な房総半島の南にある鋸山は、江戸時代に石材の産地として採石された場所で、石を切り出した岩肌が鋸の歯のように尖っていることからその名がついたそう。
山頂まではロープウェイあるいは車で上がることもできますが、登山でも片道1時間ほど。道中では石切り場跡の見学もでき、ハイキング気分で楽しめます。
8.残波岬(沖縄)
沖縄本島最西端にある岬で、沖縄本島で一番最後に夕日が沈む場所。晴れた日には慶良間諸島まで見渡すビュースポットです。高さ30mもの断崖絶壁が約2kmに渡ってつづき、名前のとおり、波が激しく岩にぶつかり、白い飛沫がとぶ荒々しい光景を見ることができます。
先端には残波岬灯台がたち、展望スペースからの眺めも見事。
9.三徳山三佛寺(鳥取)
三徳山三佛寺は標高899.9mの三徳山にある古刹。本堂の背後にそびえる斜面を利用して、文殊堂や観音堂など数々のお堂が建てられており、とくに「投入堂」は正確な建立方法については今なお謎のままというミステリアスな場所です。
「三徳山入峰修行(投入堂参拝登山)」として、投入堂までの険しい山道を登りながらお参りをすることができるので、ぜひチャレンジしてみて。
10.石廊崎(静岡)
伊豆半島の最南端に位置する岬で、切り立った断崖に荒々しい波が打ちつけます。岬には石廊崎灯台があり、年に1〜2度灯台参観日があり踊り場まで入ることが可能。
また断崖絶壁の途中には石室(いろう)神社があり、商売繁盛、学業成就などの神様を祀っています。そして石室神社のさらに先の断崖絶壁には熊野神社があり、縁結びのパワースポットとして知られています。
11.馬ヶ背(宮崎)
奥行き200m、幅10mの海水路にそって、高さ70mの柱状節理の断崖絶壁がつづく景勝地。「馬ヶ背突端」からは海を一望する大パノラマが楽しめ、また「馬ヶ背展望所」からはそのダイナミックな断崖ビューを楽しむことができます。
12.親不知海岸(新潟)
新潟県糸魚川市にある「親不知海岸」は、約15kmに渡って続く断崖絶壁の海岸です。正式名称を「親不知・子不知(おやしらず・こしらず)海岸」というこの海岸沿いの道は大変険しく、「たとえ親子でもお互いを気遣う余裕がない」ほどに通行が困難だったことで知られています。現在では遊歩道として整備されており、そのうち「親不知コミュニティロード」と呼ばれる区間は日本の道百選にも選ばれています。
「親不知コミュニティロード」の道中では、道路が開通した記念の刻印「如砥如矢(とのごとくやのごとし)」や「日本近代登山の父」として知られるウォルター・ウェストンの像を見ることができます。また親不知記念広場にある展望台からは海岸線を一望することができ、当時の通行の苦難が想像できる断崖の姿を見る事ができます。