単身者も保護猫を家族にお迎えできる
ということで、ここにいる猫たちは家族としてお迎えすることも可能です。しかも、お断りされがちな単身者も里親になることができるんです!
「猫生助け合い制度というものがありまして、これを利用していただくことで、保証人を見つけられない単身者の方でもお迎えしていただくことができます」
互助会のような制度で、手放さざるを得ない状況が来たときに備えて定期的な寄付をすることで、保証人不在でも猫と暮らせるというものです。
「単身者だからNGはもったいない! 単身者だからこそ、むしろ愛情を注いでくれる場合もありますから」
と、間口が広いのはうれしいですが、実際にお迎えするまでの過程が気になりますよね?
お迎えをしたい場合、まずは里親希望アンケートに回答します。そのアンケートでは、ライフスタイル、飼育経験、お留守番の時間、そして逸走防止対策確認のための部屋の間取り図などを確認。猫との相性を考慮し、問題なさそうであれば、面談を経てトライアル(お試し期間)に移ります。
トライアル初日には、ネコリパブリックのスタッフが里親宅を訪問し、逸走防止対策が行われているかを確認します。期間中も毎日メールなどでやり取りをし、猫の様子を続けます。
「トライアルは基本的に2週間です。先住猫がいる場合は特に時間をかけますね。先住猫からすると、ある日突然、知らない猫が来て環境が大きく変化するという状態。ですから、じっくり焦らず様子を見て、問題なさそうであれば晴れて正式譲渡です」
ペットショップからお迎えするより少し大変かもしれませんが、これもすべて猫のため。せっかく保護した猫を二度と路頭に迷わせたくないという優しさがあるからなんですね。
お迎えをできなくても、猫助けができるんです!
単身者でも比較的お迎えをしやすいとはいえ、住宅事情や体質などで保護猫をお迎えしたくてもできないという人は多いはずです。そんな人でも保護猫たちの助けになれる方法があります。それはふるさと納税です!
「飛騨市の協力のもと、2021年から始まりました。返礼品として飛騨牛やお米、日本酒などの特産品がしっかりもらえつつ、猫助けのために寄付をすることができるのが特徴です」
これはすごい! もちろん全額猫助けに寄付をすることもできます。でも寄付金がどのように使用されるか気になるところ。
「早速、飛騨市の古民家を買い取りに使わせていただきました。高齢や持病などを理由に譲渡が難しい猫のためのホスピスや、保護してからお店に移るまでの検疫期間を過ごすシェルターとして使用します」
猫勢調査とは?
ほかにも寄付金で不妊手術専門の動物病院を作ったり、猫勢調査のために使ったりするとのことですが、猫勢調査って?
「地域猫に加え、個人の家にどれだけ猫が飼われているかを調査します。犬と違って猫は外に出ないため、何匹飼育されているかわかりません。多頭飼育崩壊という問題を未然に防ぐためにも、まずはどれだけ猫がいるかを把握する必要があります。そして必要に応じて避妊手術をすすめるといった活動もしていきたいと思っています」
ふるさと納税を行う以外にも、こうしてネコリパブリックを訪れたり、イベントに参加したり、グッズを購入したりすることも猫助けにつながります。
「どんな角度からでも、しかも楽しみつつ猫助けをできるようにしたいです」
殺処分ゼロを目指し、これからもネコリパブリックの活動は続きます。
猫助けの輪を全国に
最後に今後の活動について尋ねたところ、
「日本全国にネコリパブリックを展開し、保護猫の受け皿を増やすことが目標です。また、保護猫のお迎えはしっかりとした生活の基盤があるからできること。保護猫を家族に迎えることがステータスになるようにしたいですね」
と話をしてくれました。
猫のために何かしたいという人は、まずは一度ネコリパブリックを訪れてみてはいかがでしょうか?
<取材・文/増田洋子>
増田洋子
2匹のデグーと暮らすライター。デグーオンリーイベント「デグーサロン」を運営。愛玩動物飼養管理士2級を取得。Twitter:@degutoichacora
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