ドラムに初挑戦「本当の危機でした」
――阿部さんは本作に臨まれる際に、「内田監督に今までと違った自分を引き出されるのではないか」と感じていたそうですが、実際ご一緒していかがでしたか?
阿部「こういう世界に連れてきてもらったこともそうですし(笑顔でトロフィーを持ちながら)。内田監督の、大きな視野を持っていろんなことに挑戦していく勢いと柔軟性から多くを学びました。役に関しては、今回ドラムに挑戦しました。僕は楽器を持ったこともなかったので、通常だったら断っている役だと思います。でも内田監督ということでお引き受けしました。実際、楽器への挑戦は僕にとって本当の危機でしたが、結果的に吹き替えナシでできましたし、大の大人たちが高校生の部活動のように頑張るといった経験は、僕の役者人生のなかでもありませんでしたから、楽しかったですし、財産になりました」
ドラムも汗も“本物”にこだわった
――監督は阿部さんに託していかがでしたか?
内田「今回、阿部さんにドラムで叩いていただいた曲は、かなり難しいものだったんです。音楽隊のひとりである渋川清彦さんは、ドラムをバリバリに弾ける方なんですけど、そんな渋川さんが楽譜を見て『あ、俺は無理だね』って言ったんです(笑)。正直、これは難しいかなと思いましたが、阿部さんは撮影日までにちゃんと叩けるようになっていました。プロ意識のすごさを感じましたし、ネバーギブアップの精神を学びました。それから汗をかくシーンでも、普段の撮影では水を吹きかけたりするんですけど、阿部さんは『本物がいい』とおっしゃって、本当の汗をきっちり出すんです」
――本物の汗を? どうやってですか?
内田「延々と階段を昇り降りしたりして。でもそうした“本物”が、映像にすごいインパクトとなって映るんです。肌から汗が浮いてくるのが分かるんですよね。そうした部分を含め、阿部さんからは本当に多くを学んだので、こうしてトロフィーをもらう姿を見られてすごく嬉しいです」
いろいろ考えた50代、これからもまだまだ挑戦を
――ありがとうございます。阿部さん、本作では中年刑事の悲哀や葛藤、再スタートが描かれますが、阿部さんが年齢を重ねたからこそ感じている喜びを、最後に教えてください。
阿部「正直、50歳を超えて、役柄が狭まってきたのを感じていたんです。40代なら30代もできるし、上の年齢もできる。身体を動かす役とか。どんな役でもオファーがあったのですが、50歳を超えるとそういうのも減る。日本の俳優で、僕より年上の人で現役でやれる人って、ほかの年代に比べると少なくなってくるんです。そういうことも考えさせられる50代でした。けれど、今回のような作品に出られて、内田監督と一緒にやれたことは、意味のあることだったし、これからの糧になっていくと思っています。喜びとは違うかもしれないけれど、これからもまだまだ色々な挑戦をしていきたい。そんな感じですね」
<取材・文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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