「気になるしごと」で活躍している人が登場するインタビューシリーズです。今回はITエンジニアからのキャリアチェンジに特化した転職エージェント『キャリアクチャー』の担当アドバイザー・貴志さんに「ITエンジニアからの異業種転職」についてお聞きします。
Profile
転職エージェントキャリアクチャ― 貴志 麗香さん
新卒で大手ITアウトソーシング会社にてバックオフィスを経験した後、国家資格キャリアコンサルタントを取得し、人材業界へ転職。2022年にITエンジニアからのキャリアチェンジ転職に特化したエージェント・キャリアクチャ―を立ち上げる。
客先常駐がキツイ、大変?エンジニアの働き方
私は人材業界でのキャリアをスタートしてから一貫してIT関連職、特にエンジニアの方の転職をお手伝いしてきました。
転職を決意する理由は人それぞれですが、20~30代のエンジニアの転職理由としてよく挙がるのは、
・時間が不規則な生活への不満
・客先常駐型の働き方でのモチベーション低下
といったもの。エンジニアの仕事自体は続けたいけれど、働く環境を変えたいというご相談もよくあります。
特に、担当するプロジェクトによって勤務先が頻繁に変わる客先常駐型は、仕事を継続するモチベーションや所属している会社への帰属意識が生まれにくい働き方。長く続けるイメージが湧きにくいのも頷けます。
私自身も新卒で入社したITアウトソーシング企業で8年間、BPO業務(※)に従事していた経験があります。数ヶ月〜数年単位のプロジェクトにアサインされる客先常駐で、営業事務サポート、データ集計、資料作成などを担当していました。
幸い環境に恵まれて、客先常駐型の働き方を辛いと思ったことはありません。でも、勤務先が変わるたびにお客様や一緒に働くメンバーとの関係を構築し直さなければならない大変さはよくわかります。
※BPO…ビジネス・プロセス・アウトソーシング。企業活動における業務プロセスの一部を一括して専門業者に業務委託すること。
エンジニア辞めたい!向いてない!
多くの方がITエンジニアとしてのキャリアアップ転職を模索される中で、エンジニア以外の仕事への転職について相談されることも少なくありません。
エンジニアとは別の仕事に転職したい理由は、エンジニアとして常に最新技術をキャッチアップしなければならないことへの疲れや、適正によるものなど。「将来性を期待して新卒でエンジニアになったが、実際に経験してみて文系の自分には向いていないとわかった」という方もいらっしゃいました。
ITエンジニアは引き続き採用ニーズの高い職種なので、経験者の方が転職で困ることはまずありません。IT特化、エンジニア専門の転職エージェントなら、当たり前のようにエンジニアへの転職を勧められ、膨大な数の求人を紹介されるでしょう。
だからこそ、エンジニア以外の仕事にキャリアチェンジしたいと考えていても、結局エンジニアとして働く選択肢しか浮かばず、転職を諦めてしまったり、転職しても何も変化を感じられなかったり…。というパターンに陥ってしまうのです。
エンジニア経験者は、エンジニアとして転職する。これが最も安定したキャリア構築の方法ではあります。けれど、エンジニア適正のなさを自覚している、職場環境ではなくエンジニアの仕事自体が辛い方は、早い段階で方向転換し、新たなキャリアを選ぶ必要があるのではないでしょうか。
「エンジニアからのキャリアチェンジ転職専用」サービスを立ち上げた理由
ビジネスシーンでDXがバズワードとなって久しいですが、業界によっては未だDX化を進められない企業が多数存在します。そんな状況の中、実務経験の浅い、いわゆるエントリーレベルのエンジニアであっても、基本的なIT知識を有している若手人材が活躍できる仕事は増加傾向にあるのです。
エンジニアが多様なキャリアを描けるチャンスが到来しているにもかかわらず、エンジニアやIT業界以外への転職をサポートしてくれるエージェントは存在しません。
ならば私自身が持つIT業界での転職支援経験と、幅広い職種の転職支援実績があるMAPの特性を活かして、エンジニア経験者がポテンシャルを発揮できる転職をサポートするサービスを開発したい。「エンジニア出身者」だからこそ実現できる、新たなキャリア構築を提案したい!
そう考えて立ち上げたのが、ITエンジニアからのキャリアチェンジ転職に特化したエージェント「キャリアクチャー」です。
キャリアクチャーで想定しているユーザーは、20代の若手エンジニア。IT関連の基本的な知識と技術を持っており、それらを活かした異業種転職を希望している方です。企業側からは年齢に見合った実務経験を求められることが多いため、キャリアチェンジを希望されるならば早いうちに行動することをおすすめします。
エンジニアからのキャリアチェンジでご紹介したい職種は多岐に渡ります。一例としてはWebマーケティング、データサイエンティスト、IT講師、セキュリティコンサルなど。また、人事や採用もIT知識が歓迎されるケースが増えているポジションです。