思いがけず犯罪に巻き込まれそうになったことはありませんか?
今回はそんな危険を感じたエピソードについてfuelle編集部が取材しました。

深夜の外出

1998年3月、寒さが厳しい季節。
大学の卒業旅行でヨーロッパに行きました。

ドイツからフランス・パリへ移動した夜、同行した友人とホテル近くのマクドナルドで簡単な夕食をとることにしました。
22時頃店を出て数ブロック離れたホテルへ戻る途中、二人の若いフランス人男性に声を掛けられました。

友人は大学でドイツ語専攻、私はフランス語専攻でしたがギリギリで単位取得したレベルです。ネイティブスピーカーが話す速度のフランス語、しかも若者が話すおそらくくだけたフランス語などとても聞き取ることができませんでした。
思わず、会話集を読んで事前に頭に入れていた「Je ne sais pas(分からないです)」とだけ発し、友人と共にその場を去りました。

するとそのフランス人男性二人は、なぜか私たちの少し後ろを同じ方向へと歩き始めました。
しかも「Je ne sais pas、Je ne sais pas」と
先ほどの私の発言を真似してふざけ合っている様子でした。

私は慣れないフランス語を使ったことで恥ずかしくもあり何となく嫌な気持ちもあり、ただ無言でホテルまでの道を急ぎました。
友人も一言も話さず、私と同じ速度でホテルへと歩いていきました。
後ろのフランス人二人はペラペラ喋りながら私たちの後を歩き続けました。