流山市を走る「流鉄流山線」は、都心から手軽にいける千葉のローカル鉄道。知名度はそんなに高くありませんが、ゴトゴトと走る愛らしい電車に乗ってプチ旅気分が味わえます。発着駅の流山駅周辺では、古きよき時代の面影を残したレトロな町並みをのんびりと散策するのがおすすめ。さくら号にあるかわいい仕掛けもぜひ見つけてみてくださいね♡
「流鉄流山線」を楽しもう♪
「流鉄流山線」ってどんな鉄道?
流鉄流山線(以下、流山線)は流山駅と松戸市の馬橋駅を結ぶ全長5.7kmのローカル線です。流山線は1916年の営業開始以来、100年以上にわたって沿線住民の足として親しまれてきました。この鉄道はもともと地元流山の人たちが出資しあって設立したものだったため、「町民鉄道」と呼ばれていたそうです。
起点となる馬橋駅はJR常磐線と接続しており、上野からはおよそ40分です。そして馬橋~流山間にある駅はたった6駅。最初から最後まで乗っても、なんと11分で着いちゃうんです!
首都圏では珍しい単線
流山線を走るのは2両編成のかわいらしい電車。駅は自動改札ではなく、SuicaやPASMOなども使えないので乗車券を買いましょう。目一杯沿線を満喫したい方には「流鉄流山線一日フリー乗車券(500円)」もおすすめ!
流山線は単線のため、途中の小金城趾駅にだけホームが2つあり、この駅で上りと下りの列車交換が行われます。入れ替えの瞬間を見るのも貴重でなかなか楽しいですよ♪
ベンチのレトロな座布団にほっこり♡
途中の駅のベンチにはかわいい手編みらしき座布団が置いてありました。上の写真は鰭ヶ崎駅で撮影したものですが、鰭ヶ崎駅以外の駅でも見かけることができる可能性もあるようです。寒い冬でもこんなうれしい心遣いに気持ちがあったかくなります。都心から近い場所にありながら、なんだかノスタルジックな旅気分に浸れちゃうんです。
幸せ祈願?!探すは「さくら号」のハートのつり輪!
流山線の車両は各編成ごとにカラーが違い、それぞれに名前がついています。その中でぜひおすすめしたいのは、2018年8月にデビューしたさくら号。名前の通りキュートなピンク色の車体が女子心をくすぐります。そしてこのさくら号には実はちょっとした仕掛けが・・。それは各車両に一つずつあるという、ハート形のつり輪♪
あかぎ号や若葉号なども運行している中、さくら号に出合えるかどうかは運次第!もしさくら号に運よく巡り合えたら、幸せ祈願にぜひハート形のつり輪を探してみては? 筆者ももちろん・・探し出しましたよ♡
流山ってどんなところ?
流山線がある流山市は、千葉県北西部にあり、江戸川沿いに位置しています。実は流山は白みりんの醸造で栄えた街でした。江戸時代中頃までは関西で作られる色の濃いみりんが主流でしたが、流山で淡く澄んだ白みりんが開発され、秋元家による天晴(あっぱれ)みりんと堀切家による万上(まんじょう)みりんの2つのブランドが有名になりました。
現在はみりんは料理に使うものというイメージですが、江戸時代は甘い飲み物として、お酒の苦手な人や江戸の女性たちの間で人気だったんだそうです。みりん醸造は江戸川の水運を利用した江戸との行来によって、流山に大きな繁栄をもたらしました。
江戸川沿いにある流山本町地域は、歴史的な史跡や神社仏閣のほか、明治時代に建築された老舗や土蔵造りの家屋が残り、現在リノベーションによって当時の面影を残したギャラリーやカフェなどに生まれ変わっています。
流山のおすすめスポット
鰭ヶ崎(ひれがさき)駅周辺:Osteria Sära(オステリア・シャーラ)
「Sära」は地元の方にとても人気のあるイタリアンレストランです。店内に入ると天井が吹き抜けになっており、解放感に包まれます。雰囲気もとっても高級感があって、一瞬どこかの迎賓館にでも来たのかと思ってしまうほど!ランチでも贅沢な気分が味わえるので、大切な人と特別な時間を過ごしたい方にもおすすめですよ♪
平和台駅周辺
赤城神社
山頂に赤城神社が祀られた赤城山は、ちょうどお椀を伏せたような小山になっています。実はここは流山市の名前の由来になったといわれる場所なんです。その昔、上州(群馬)の赤城山が噴火し、その土塊がこの場所に流れ着いて海抜15mの赤城山になったんだとか。この赤城神社の本殿は市指定有形文化財に指定されており、10月には大祭が行われます。
また、赤城神社の鳥居にある大しめ縄は、毎年氏子や地元の方たちが協力して一日で造り上げるもので、重さはなんと約500kgもあるんだそうです。これほどの重さのものが鳥居に取り付けられているなんて驚きですね!