清涼感に溢れるペールグリーンのセットアップ

 パリ8区モンテーニュ通り30番地にあるディオール本店を訪れた横浜は、1946年創業の老舗メゾンの歴史に感服したようだ。ディオールの服に身を包み、ディオール本店を歩く贅沢はだれにでも許されることではない。創業者クリスチャン・ディオールにとって特別な意味を持ち、メゾンの重要なモティーフであり、アトリビュートであるのが、星である。名前に星を持つ横浜がこのメゾンに足を踏み入れたのは、実は必然的なめぐり合わせだったのかもしれない。

 驚くことに横浜は、コレクションになんと発表予定の新作を着て出席した。前日にフィッティングし、横浜の体型に合った縫い付けを施す。フランスの大女優ナタリー・バイが主演した映画『オートクチュール』(2021年)では、ディオールのオートクチュール(高級仕立て)の仕事が描かれていたけれど、老舗メゾンにしかなせない技の細やかさを目の当たりにした瞬間だったのではないか。袖を通した瞬間に、横浜はどんなことを感じたのだろう?

 ペールグリーンのセットアップは、清涼感に溢れる。この夏、横浜にフィットするのを待ち望んでいたかのような印象を与える。最新コレクションをこんなにスマートに、エレガントに着こなしてしまう日本の若手俳優が他にみつからないと思った。

“ディオールの流星”が流れた瞬間

 ペールグリーンを身体に馴染ませるように着込んだ横浜は、草花で庭園を表現したショー会場のランウェイをみつめる。その視線には、気品が漂う。どんなシチュエーション、どんな瞬間にも、強い精神力を感じさせる横浜だけれど、異国のコレクションにあっては、洒脱な雰囲気をまとわせる。それが自然にできてしまう。

 アフターパーティーでの一コマを捉えたスナップには、堂々たる姿が映っている。ペールグリーンのセットアップから、黒のジャケットに羽織り直し、デニムをチョイスしたカジュアルなスタイル。それでいて、品は保つ。まさに洒脱さの極みのようなコーディネートだ。異国の伊達者たちを相手に横浜、右手でシャンパングラスのボウルをつまむように持ち、歓談する。グラスの中で輝く泡がはじけた瞬間、一瞬だけど、“ディオールの流星”が流れた気がした。

<文/加賀谷健>

加賀谷健
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。 ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu


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