今年は早くも真夏のような猛暑日が続く週も多いけれど、『FASIONSNAP.com』が公開したパリからのいくつかのスナップ写真で何とか涼をとることができた。

 それは、ディオールのファッションショーに出席するために渡仏した横浜流星を捉えた一連のショットである。写真をみて涼やかになったのは、気持ちばかりではない。ほんとうに身体全体が清涼感に包まれたのだ。

 今回は、「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、この夏、パリで横浜流星が魅せた“流星”の輝きをキャッチしてみたい。

“夏の風物詩”としての横浜流星

 横浜流星が、韓国のファッション雑誌『DAZED KOREA』8月号でグラビア初登場したのは、昨夏のこと。横浜にとっての今夏は、もちろんディオールの夏。彼はどうも夏になると、日本を飛びだして世界のファッション・シーンに色鮮やかな配色を加えてくれるようだ。

 昨年の夏から今年の夏までの一年間で、立て続けに映画出演作を重ね、実にさまざまな表情の変化を見せてくれた。特に『流浪の月』(2022年)で演じた衝撃的な役柄は、これまで積み上げてきた横浜の演技力が試された総決算的な熱演だった。常に成長を続ける俳優として、ディオールのジャパン・メンズ・アンバサダーとして、2022年は、どんな変化を遂げていくのか。夏ごとにバージョンアップされる横浜流星は、まるで“夏の風物詩”のように爽やかな風を吹き込む。

ド・ゴール空港でのスナップ写真

 フランスでは大人でも長い夏休み(バカンス)を必ずとり、日が長い夏が本格的にはじまる6月は、フランス人にはたまらない季節だ。そんなフランス的初夏が到来したパリに横浜は赴いた。「ディオール サマー 2023 メンズ コレクション」のファッションショーにアンバサダーとして出席するためである。

 ド・ゴール空港に到着した彼を捉えたいくつかのスナップ写真をみたが、いやー、黒を基調にしたスタイリッシュな立ち姿が何ともシュッとしていて、さすがの印象を与える。全身黒コーデで、しかもディオールで揃えて着こなしてしまえるのだからすごい。黒によって逆にシルエットがはっきりするのも、横浜だからこそ。時折ゆるむ目元は、マスク越しにも華やかな笑顔をこぼす。

 こんなふうに、ただ空港に降り立った姿ひとつ切り抜いてみても、非常にリアルな手触りを伝える。コレクションまでのこの先の行程を追っていったら、いったい、どんな贅沢な彩りがあることだろうと想像を膨らませてしまう。横浜の存在が掻き立ててくれるイマジネーションは、ド・ゴール空港からパリの街へどんな羽ばたきをみせてるのか?

“着飾る流星君”

 山﨑賢人が「A|X アルマーニ エクスチェンジ」の広告モデルに3年連続、5シーズン起用され、岩田剛典がルイ・ヴィトンのアンバサダーなら、横浜流星はディオールときた! いやはや、筆者がこよなく愛する三巨頭の俳優陣がハイブランドを着飾る姿もなかなか壮観である。

「着飾る」といえば、このワードが導くのは、文字通り、横浜が川口春奈と共演したドラマ『着飾る恋には理由があって』(2021年、TBS系)だ。同作で横浜が演じたのは、フード・トラックに乗るミニマリストのシェフ・駿だった。確か、彼は私服を2、3着しか持っていなかったはず。着飾ることとは無縁の駿も愛すべき存在だったが、エレガントなディオールの衣装をまとい、“着飾る流星君”も、そりゃあもちろんベターなわけで。

 着飾る流星君をみると、これはもう簡単には言い表す言葉が途端にみつからなくなる。まず、「美しい」の一言以上をみつけるのが難しい。凛とたたずみ、こちらをみつめる彼の視線をキャッチするだけでこと足りる。一枚の写真に広がる横浜ワールドに、ただ身を寄せて、委ねてみるだけでいい。そして、彼の艷やかな美しさに、ただ息を呑むのみだ。