「切り身1枚からあるよ!ゆっくり見て行って~」「今日のこの魚は煮付けにしたら最高だよ」。千葉県浦安市にある「浦安魚市場」では、こういった声が飛び交い、和気藹々とした雰囲気の中で買い物を楽しむことができます。一般家庭向けの少量販売や、昔ながらの対面販売のスタイルが、訪れる人に親近感と敷居の低さを感じさせます。それは、かつて漁師町であった頃の浦安の面影でもあります。この記事では、そんな趣をも感じさせる、浦安魚市場の魅力や見どころをご紹介します。

浦安魚市場の魅力!プロの目利きが揃う、専門店の数々

浦安魚市場には、34の店舗があります。軒を連ねるこれらの店舗は、まぐろ専門、干物や佃煮専門などというように、販売する水産物の種類が異なります。また、店にはプロの目利きである店主や店員がいて、お客さんの目の前で魚さばきの巧みな腕前を披露しつつ、昔ながらの対面販売をしています。

それでは、まずは浦安魚市場で見かける水産物を紹介します。

マグロ

クロマグロ(本マグロ)やミナミマグロ(インドマグロ)など、マグロには5つの種類があります。マグロは種類によって生息地や体の大きさが違い、また味や食感も違います。水揚げされたマグロの多くは大トロ、中トロ、赤身などの部位に分けられて、柵や切り落としなどにパックされて販売されます。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

場内には、マグロ専門店が8店舗あります。それぞれの店頭には、上質で新鮮なマグロが並び、中にはホホ肉、血合、目玉、尾、卵などの貴重部位や、さじでかいた中おちなどの人気部位も販売されています。

マグロ以外の鮮魚、貝

場内には鮮魚を扱う店が14店舗あり、それらの店ではアジやイワシ、サバ、カレイ、タイ、金目、鮭を中心とした定番の魚を通年で見かけます。そして、冬になれば鍋にオススメのタラやアンコウなど、その時期の旬の魚が店頭に並びます。魚は、どれも丸ごとの状態から切り身まであります。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

鮮魚と並んでよく見かけるのが、アサリやハマグリ、アオヤギ(バカ貝)、ミル貝などの貝類や、車エビ、甘エビ、イカなど。東京湾で取れたものを即日加工して販売している剥き身の貝などは特に鮮度が高く、浦安魚市場の目玉商品の1つです。貝を専門に売る店もあります。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

塩干物、漬け、練り物などの加工品

塩干物とはアジやホッケなどの魚の開きや、貝、イカなどを塩漬けや日干しにして加工したもので、家庭では焼いたり揚げたりして食べるのが一般的です。メジャーなシラス干しもたくさん売られています。また、カマスやエボダイなど、普段はあまり見かけない種類の魚の干物も売られています。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)
「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

漬けでは、サケやタラなどの分厚い切り身の塩漬けや粕漬け、みりん漬けなどが売られています。変わったところでは、店オリジナルのタレを仕込んで漬けた、自慢の粕漬けを販売している店もあります。

また、つみれやさつま揚げなどの練り物や、イクラ醤油漬け、塩辛、明太子、数の子などは、自家製、既製品ともに各店舗に多く取り揃えられています。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

加工されたものでも、やはり鮮度が大切です。目利きのプロが揃える魚市場では、高品質で美味しいものを手に入れることができます。加工品は、鮮魚を扱う店や、干物を専門に扱う複数の店舗で購入できます。

焼きハマグリ、ウナギ

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)
「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

大きな剥き身のハマグリを串に刺し、秘伝のタレを付けながら柔らかく焼き上げた焼きハマグリは、浦安名物として高い人気を得ています。

旧江戸川の豊かな淡水、潮の満ち引きで出現する広大な干潟など、豊かな環境が広がっていたかつての浦安では、アサリやハマグリなどの貝類が豊富にとれました。

貝から身を取り出して仕分ける「貝むき」と呼ばれる加工技術も発展し、その職人技は今でも受け継がれています。焼きハマグリは、浦安の歴史を象徴する存在でもあります。

焼きハマグリのお店の隣にはウナギを専門に扱う店があり、活きの良い活ウナギを見事な手つきでさばき、蒲焼や白焼きに焼き上げて販売しています。

海苔、佃煮

東京湾でとれる海苔を、和紙の製紙製法で紙状に乾燥させてつくる「江戸前海苔」を扱う専門店が、市場内に2店舗あります。焼き海苔やアオ海苔など、何十種類もの江戸前海苔が並び、 10枚を1つに折りたたんだ一帖(いちじょう)という単位で販売されています。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

1枚の大きさは、原則的には縦21cm、横19cmの大きさです。その他、切らずにそのまま使えるおにぎり用の海苔や、刻み海苔などもあります。

野菜、果物

魚市場には、野菜や果物を販売する店も2店舗あります。千葉県の農家を中心に、全国の特産品や旬の野菜、果物が揃います。加工品も取り揃い、切り干し大根や干し椎茸、自家製のぬか漬けなども人気です。その他、新鮮な鶏卵や、浦安市内にあるお豆腐屋さんが作る豆腐や揚げ、おからなども販売しています。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)
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(画像=Noz トリップノートより引用)

精肉、お肉の惣菜

魚市場ですが、市場内には精肉を売る専門店もあります。牛、豚、鶏を中心に、大小の単位に切り分けられた精肉の他、ブランド肉、モツなどのホルモン、豚足、冷凍の状態で売られる生のソーセージなども、小分けのパックやグラム単位で販売されています。

「切り身1枚からあるよ!」和気あいあいで庶民的な街の台所、千葉・浦安魚市場に行こう!
(画像=Noz トリップノートより引用)

お肉屋さんの惣菜では、定番の手作りコロッケやメンチカツなどが人気です。