物価の高騰が続く中、少しでも家計への負担を減らそうと支出を見直している方もいるでしょう。家計の中で節約できる代表的な項目と言えば、食費や保険料、通信費、光熱費などです。そこで今回は、食費に着目し適正な食費の目安や家族構成別に見る注意点、食費の節約方法について紹介します。
日本の家計の支出に占める食費の割合
まずは家計の支出に占める平均的な食費の割合について見ていきましょう。総務省統計局が発表した2021年の家計調査によると、単身世帯の消費支出額は15万5,046円で、そのうち食料への支出額は3万8,410円でした。消費支出額を100%とすると、食料への支出額割合は約25%になります。
2人以上の世帯の場合は、消費支出額が27万9,024円で、そのうち食料への支出額は7万5,761円です。食料への支出額割合は約27%でした。
単身世帯でも2人以上の世帯でも、平均的な食費の割合は25%前後ということが分かります。
エンゲル係数から適正な食費の割合を算出
ただし、家庭によって人数や年齢などの家族構成が異なります。そこで着目してほしいのがエンゲル係数です。エンゲル係数とは、消費支出に占める食費の割合のことで、25%が標準的と言われています。
エンゲル係数の計算方法は以下の通りです。
エンゲル係数(%)=食費÷消費支出額×100
気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、前述の「日本の家計の支出に占める食費の割合」で紹介した数値こそがエンゲル係数となります。単身世帯の場合は標準的ですが、2人以上の世帯では約27%と少しオーバーしていることが分かるでしょう。
節約のことを考えると、エンゲル係数を20%以内に抑えるよう工夫するのがおすすめです。というのも、先ほど紹介した家計調査の食料部分には、菓子類や酒類、外食などが含まれています。これらは嗜好に左右されるため、節約しようと思えば削減できる部分。この点を加味して算出すると、平均エンゲル係数は20%以下に抑えられるのです。
夫婦のみ家庭で注意すること
ここからは、食費にまつわる注意点を紹介します。まずは夫婦のみの家庭の場合です。
前述の家計調査を参考にすると、夫婦のみの家庭の場合、1ヵ月あたりの食費は、外食より調理食品への支出額が約4,000円近く多くなっています。
調理食品を購入すると調理の手間が省けて便利ですが、コンビニでは料金を高めに設定していることもあるため注意が必要です。食費を抑えたいものの、調理の手間も省きたいということであれば、スーパーなど安く購入できる店を利用し、調理が簡単な食品をまとめ買いしておくのも良いでしょう。