リフォームに200万。優雅な暮らしをする高齢者たち
たしかに、家賃の高い都心部では、住居にお金を掛けることは、生活の余裕の表れかもしれません。
「利用者さんの住む一軒家は、高齢の人がそのまま住むには不便な作りが多い。そのため、キッチンの収納を低くして棚を増やしたり、ガス台をIHにするというキッチンのリフォームや、バリアフリーのためにバスルームやトイレをリフォームして新しくする家庭も多いんです。
つい『いくらくらい掛かるんですか?』って聞くと、『200万くらいよ』っていう話をさりげなくしてくるんです。200万って年収みたいって、聞いていて思いましたよ」
美緒さんは、家にお金を掛けることが当たり前の年配の人たちの感覚に驚いたといいます。
「高級住宅地なので、立地も関係しているかもしれません。でも、20代や30代の介護士よりも明らかに年配の人たちの方が良い家に住んで、お金に困らない暮らしをしているんですよね……。なんか微妙な気持ちになります」
銀行の金利だけをとってみても、今よりもはるかに高い時代に働き盛りの時期を過ごした高齢者たち。若い世代が不公平感を感じるのも無理はないのかもしれません。
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<文/池守りぜね イラスト/ただりえこ> 池守りぜね
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