世代間の経済格差は長く議論されているテーマですが、みなさんは生活の中で実感したことがあるでしょうか?

200万のリフォームも“余裕”な高齢者に複雑な心境…30代介護士が本音を漏らす
(画像=『女子SPA!』より引用)

写真はイメージです(以下同じ)

 都内で介護士として働いている安藤美緒さん(32歳・仮名)は、介護相手の年配層と話していると価値観の違いを痛感すると話します。

安定した給料を求めて介護士へ転職

「私は介護士として働くようになって5年以上経ちます。最初は、特養と呼ばれる特別養護老人ホームで働いていました。特養は公的な団体が運営していたので、国からの補助が出ていました。そのため、安い費用で利用ができるので、利用者さんの家族を含めて、自分と価値観が近い人が多かったんです」

 美緒さんは、青森県出身。大学卒業後、映画やテレビドラマなどの小道具や美術品を作る仕事をしていましたが、収入が不安定だったため、働きながら介護士の資格を取得して転職をしました。

「高齢者が増えて介護士のニーズが高まっていたので、仕事はすぐ見つかりました。最初はパートだったので収入は少なかったですが、資格を取得し正社員になってからは安定してきました。

 でも、夜勤もあるし、大変な割には高収入ではないと感じています。今の生活だと、結婚したり子どもを産んだら仕事を続けられるか不安です。それなのに、高齢の利用者さんの生活は、優雅そうなんですよね……」

高級住宅地に暮らす利用者との金銭感覚の違いを痛感

200万のリフォームも“余裕”な高齢者に複雑な心境…30代介護士が本音を漏らす
(画像=『女子SPA!』より引用)
現在は、都内で訪問介護の仕事をしているという美緒さん。高級住宅地に住む利用者と話していると、金銭感覚にギャップを感じるといいます。 「70代、80代の利用者さんは、ちょうど自分の娘や息子に孫が生まれた世代。自分たちが住んでいる家の近くに土地を持っていたりする人もいて、都内に家を買うことへのハードルが低いんです。 『この辺で家を買おうとしているけど、建売は長持ちしないから息子夫婦が買おうとするのを止めた』と言ったり、職員がローンでマンションを買おうとしている話を聞いて『35年ローンで買うなんて信じられない。終わる頃あなた70代よ』と言ってきたりするんです」  美緒さんは、「家を買うには、まずは資金がなきゃいけないけれど、それを貯めるのが大変っていう感覚がないというか……。土地や家など資産を持っていると、それを売ればお金になるから、家を買うのが大変っていう考えがないんでしょうね……」と嘆きます。