「仕事は顔を合わせてなんぼ!」上司に振り回される
元々人からの頼みを断りづらい、過剰に気を遣ってムリをしてしまうという性格もあるそうですが、今のストレスの大きな原因は“些細なことでもすぐにビデオ会議をしたがる上司”にもあるそうです。
「リモートワークが推奨される前は、『仕事は人と直接会って、目を見て会話をしてなんぼだ!』と、どんな小さい用事でも会って話すことを最優先する上司が多くて。とくに50代の人ですね。それも信用を築いたりする上で、大切なのも分かります。
でも、リモートワークになってからも、すぐにビデオ通話をしようとするんですよね。ちょっとした作業の申告や、事務的な報告も、毎日何回もZOOMの会議に招待するURLが一方的に送られてきて、『仕事はどんな些細な用事でも、顔を見てするものだ』って……。
結局、今まで雑談や世間話など、ダラダラと仕事をしたフリをして息抜きもできていたのに、それができなくなって寂しいのかもしれません。ムダZOOMに仕事を圧迫されて、20代・30代の社員がリモートワークで50代の上司に振り回されているという話もよく聞きます。
家にいると逃げ場がないので、どんどん追い詰められてしまう。パソコンの電源を引っこ抜いて、コードをちぎりたくなるくらい、コロナ下になってからずっと精神的に追い詰められています……」
たまにはカメラのUSBを引っこ抜いてしまえ
同僚やブラックなクライアントの無茶振りに、面倒くさい上司の相手。そしてどんどんスケジュールが詰め込まれていくビデオ会議。話を聞いているだけでも、とてもストレスを感じます。
そもそもビデオ会議自体が、人を疲れさせるものだとご存知でしょうか。米スタンフォード大学の研究グループの報告によると、私たちは対面で無意識に駆使しているボディーランゲージやジェスチャーを駆使しているのですが、それがオンラインになるとより分かりやすく大げさにリアクションをとる必要があるので、心身ともに負担が増大するそうです。
また、それぞれが画面に映る参加者の顔と向き合うので、多くの参加者からの視線を浴びてストレスも跳ね上がるのだとか。
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自分でも気が付かないうちに、多くのストレスに晒されているオンラインでのビデオ会議。ときにはビデオ機能をオフにして顔出しを控えたり、音声のみでの参加も検討したいですね。目に見える画像や音声のやりとりよりも、チャットやスタンプなどリアクション機能を活用するのもグッド。なにより、体や心が悲鳴をあげるほど詰め込むのは御法度です。効率より、自分の健康。上司の無茶ぶりより、心の余裕。
便利さと効率に溺れてしまう前に、自分が発するSOSに耳を傾けたいですね。
―シリーズ「新しい生活様式がしんどい」―
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<取材・文&イラスト 赤山ひかる> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 赤山ひかる 奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。
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