『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。

アパレルのブラック企業で働き、洋服が嫌になったけれど…

アパレル系ブラック企業で体を壊してから見つけた、お金をかけずにおしゃれをする方法
(画像=『女子SPA!』より引用)

お金をかけずにおしゃれをする方法とは?(写真はイメージです)

 あれは二十歳少し前のころのことでしたでしょうか。大人になって、働いて、30歳になったころには、好きな服を好きなだけ買えるようになるに違いないと、漠然(ばくぜん)と思い描いていました。二十歳前の私にとって、30歳は立派な大人で、仕事に就いていれば、そんな他愛(たあい)もない夢など、簡単に叶うものと、疑いもなく信じていました。

 ところが現実はそれとは正反対で、30歳になるころの私は、今で言うところのブラック企業にだまされて就職してしまったせいで、好きな服を買えるどころか、健康を維持することも、文化的な生活をすることもままならず、デパートの婦人服売り場でそのブラック企業の生産した衣服を見つけると吐き気を催すほどになっていました。

 そんなところで働いてしまった経験から、ほとほと洋服というものが嫌になり、専門学校時代の教科書は資源ごみの日にすべて捨ててみたものの、二年ばかりたったころには、まだ死んでいなかった根っからの服好きの精神がひょっこりと息を吹き返し、おしゃれをしたいけれども、お金もないし、どうしたものかと考えるようになりました。

お金をかけずにおしゃれをする方法「チープシック」

 そのころ知ったのが、アメリカやヨーロッパには「チープシック」と呼ばれるおしゃれ方法があるということでした。

 スポーツウエアやワークウエア、古着を取り入れて、お金をかけずにおしゃれをする方法があるということを知り、これなら私もできそうだわ、これからはチープシックの精神でおしゃれをしていくわ、と心に決めたのが30歳を過ぎたころ。

アパレル系ブラック企業で体を壊してから見つけた、お金をかけずにおしゃれをする方法
(画像=『女子SPA!』より引用)

チープシックについて書かれた本『チープ・シック: お金をかけないでシックに着こなす法』(1977年)(画像:Amazonより)

 それからは、既にあるものをリメイクしたり、自分で作ったりと、ありとあらゆるお金をかけない方法を実践するようになりました。その中で私がよくやっていて、今でも続けているのが誰かと洋服をシェアすること、また自分が着なくなった服を交換することです。