愛知県犬山市にある博物館明治村は、明治時代の建築物が移築展示されている博物館です。村内では重要文化財である建築物の見学ができたり、明治時代の書物に基づいて作られたグルメを味わえるなど、まさしく明治時代を肌で体験・体感できる施設となっています。
博物館明治村とは
愛知県の北部、犬山市にある明治建築を保存展示する屋外博物館(昭和40年3月18日開村)です。約100万㎡の広大な敷地内に、国の重要文化財11棟を含む60棟以上の明治時代の建造物が、移築復元され保存展示されています。
村内では建物見学の他、明治時代に実際に走っていたSLや市電に乗車する事ができる貴重な体験も楽しめます。
また、村内にある飲食施設では、明治時代のグルメ小説『食道楽』に記載されているレシピに基づいてつくられたコロツケーやカレー、明治に入って庶民にもひろまった「牛鍋」など、明治時代を感じる事ができるメニューを楽しむ事ができます。
入村料は大人の方ですと、お一人1,700円で施設見学ができます。
村内を楽しむ
建築物を見る
明治時代の建築物は、戦災や震災、高度経済成長にともなう開発による取り壊しなどで、多くの貴重な建物が姿を消しました。明治村では取り壊される運命にあった、60棟以上の明治建築を移築保存しており、当時の貴重な資料として見学する事ができます。
数々の重要文化財を見学する
数多く展示されている建築物の中には、日本各地から移築された国の重要文化財に指定されている建物が以下の通り11棟あり、一つの施設の中で重要文化財を一度に複数見る事が出来る、貴重な博物館となっています。
1.聖ヨハネ教会堂(京都)
明治40年に京都河原町に建てられた教会で、一階は日曜学校や幼稚園として、二階が会堂として使用されていました。
2.西郷従道邸(東京)
明治10年代前半に西郷隆盛の弟、西郷従道が東京上目黒の自邸内に建てた木造二階建ての洋館です。
3.三重県庁舎(三重)
明治12年に完成した庁舎です。玄関を軸に左右対称に設計・建築された建物で、東京大手町にあった内務省庁舎をモデルに建てられました。
4.東山梨郡役所(山梨)
明治18年に完成した役所です。当時の山梨県令であった藤村紫郎は当時地元に多くの洋風建築物を建てさせており、この役所もその一例です。
5.東松家住宅(愛知)
明治34年頃の建築物で、名古屋の中心部堀川沿いにあった商家です。
6.札幌電話交換局(北海道)
明治31年に、札幌の大通りに建てられた建築物です。
7.西園寺公望別邸「坐漁荘」(静岡)
西園寺公望が政治の第一線から退いた後清水港(静岡県)近くの興津の海岸近くに建てた別邸で、建築物としては大正に建てられた物です。
8.品川灯台(東京)
フランス人技術者によって建てられた洋風灯台で、明治3年に点灯されました。現存する洋風灯台としては最古の灯台とされてます。
9.菅島燈台付属官舎(三重)
イギリス人技術者の設計による建物で、明治6年に伊勢湾の入り口である鳥羽の沖合「菅島」にたてられた建築物です。
10.宇治山田郵便局(三重)
木造平家銅板噴の建築物で、明治42年に伊勢外宮前に建築された建物です。
11.呉服座(大阪)
木造二階建ての杉皮葺の建物で、明治25年に大阪の池田市に建てられた建築物です。
以上11棟の建造物が国の重要文化財として、村内に移築展示されています。