猫の瞬きには、実は何かしらの意味があるのをご存知ですか?
無意識のうちに繰り返す私たち人間の瞬きとは違い、猫は意思表示として瞬きをすることがあります。
そこに込められた意味や、反対に瞬きをしない時の気持ちなど、猫の瞬きについて深く知っていきましょう。
1.猫の瞬きは「アイコンタクト」って本当?
私たち人間も常に繰り返している「瞬き」。瞬きによって涙が分泌され、乾燥から目を守ることができたり、ゴミや老廃物を排出できます。
しかし猫にとっての瞬きは、これ以外にも非常に重要な役割が。
それは、猫が何かを伝えたいときの手段─つまり「アイコンタクト」としての役割です。
猫にとって瞬きは、重要なコミュニケーション手段の1つなのです。
2.猫の瞬きは少ない
元来、猫は瞬きが少ない動物と言われていて、その回数は1分間におよそ3回。人間と比べるとかなり少ない回数です。
ではなぜ、猫は瞬きが少ないのでしょうか。それは、目頭にある薄い膜(瞬膜)の機能が関係しています。「第三眼瞼(だいさんがんけん)」とも呼ばれるこの膜には、猫がまばたきをするたびに目を覆い、目の表面のごみを取りながら油分をなじませる働きがあります。
この第三眼瞼の機能が涙の蒸発を防ぐため、猫の目は乾燥しづらく、少ない瞬きでも生きていくことができるのです。
3.猫のアイコンタクトに込められた意味
瞬きを使ったアイコンタクト
①ゆっくりと瞬きしている場合
猫がゆっくりと瞬きをしているとき、それは相手に対して「信頼しているよ」「好きだよ」という気持ちを伝えています。それは瞬きだけではなく、目を細めているときも同じ。
猫が目を細めると、まるで笑っているかのように見えることがありますが、まさにこのゆっくりした瞬きは、人間でいう「笑顔の挨拶」のようなものです。
また、人間から猫に対する瞬きも同じ意味で受け取ってくれるので、愛猫に対して大好きな気持ちを伝えたいときや、愛猫からの愛情表現に応えたいときには、同じようにゆっくりと瞬きをしてあげると良いでしょう。
②ゆっくりとした瞬きを繰り返している場合
猫がゆっくりとした瞬きを繰り返すときは、相手に対してより多くの愛情を感じていて、その気持ちを伝えています。
それほどの愛を瞬きで表現するのは意外にも感じますが、そこには「大好き」という気持ちと同時に「目の前には安心できる相手がいる」という気持ちがあるから。
そんな確かな安心感から、わざわざオーバーなリアクションをする必要がない、というネコの心理が働いているのでしょう。
③呼びかけに対して瞬きをする場合
飼い主さんが猫の名前を呼んだり話しかけたりしたときに、鳴き声はなくとも瞬きをしているのを見たことはありませんか?
その瞬きには「はーい」や「聞いてるよ」といった返答の意味が込められています。
犬のように、名前を呼んだらすぐに飼い主さんの所へ来るようなことはあまりないかもしれませんが、猫もこうしてしっかりと呼びかけに応えてくれているのです。
瞬き以外のアイコンタクト
①見つめながら鳴いている場合
猫がじっと見つめてくるときは、何かを要求しているサインです。
それはごはんが欲しいとき、遊んでもらいたいとき、甘えたいとき…といろいろなケースがあるでしょう。
さらに、鳴きながら見つめる場合は、その要求が強いとき。わがままや甘えん坊の猫の場合、このように鳴き声をあげながら見つめてくることが少なくないでしょう。
②瞬きをせずに見つめ続ける場合
多くの動物は、静かに見つめ合うことで敵意を表し、そのアイコンタクトがケンカのきっかけになることもあります。
それは、猫と目が合ったことをきっかけに、瞬きをせずにじっと見つめ続ける場合も同じ。相手に対して「警戒している」サインになります。
この緊張感の中お互いに見つめ合いを続けていると、場合によっては猫が引っ掻いたり噛みついてきたりすることもあるので、すっと目をそらし「こちらには敵意がないんだよ」ということを示してあげましょう。
また、猫の瞬きに対して瞬きなしで見つめ返すのもNG。せっかくの愛情表現を敵意で返していることになるので、こちらもしっかりと瞬きをしながら、愛情のキャッチボールを楽しみましょう。
猫と目が合った場合の対応は?
ふと猫と目が合ったときは、瞬きなしでじっと見つめるようなことはせずに、ゆっくりと目をそらしましょう。
猫も敵対心がなければ、自ら目をそらしてくるはずです。
一方で、猫が愛情や要求を伝えようと“わざと”見つめてくるときは、しっかりとそのアイコンタクトに応えてあげてください。
瞬きをしているか?何か要求されていることはないか?などその気持ちを汲んであげると、良いコミュニケーションがとれるでしょう。